スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

場の量子論

p0積分の積分経路の4つのパターン

「次に、上式をについて変形すると、次のようになります」 「このようにして得られたの式をフーリエ変換すると、次の(2.58)式が得られます」 (2.58) 「(2.58)式の積分は、4つの異なる積分経路によって評価されます。それら4つの積分経路のうち、(2.54)式で…

クライン‐ゴルドン演算子のグリーン関数の運動量表示の関係式の導出

(2.54) 「ところで、以前求めた上の(2.54)式ですが、これはフーリエ変換によって導くこともできます。クライン‐ゴルドン演算子のグリーン関数の運動量空間における表示をフーリエ変換したものをとすると、次の(2.57)式のようになります」 (2.57) 「ここで、…

クライン‐ゴルドン演算子の遅延グリーン関数

(2.55) (2.56) 「ところで、は、『クライン‐ゴルドン演算子のグリーン関数(Green function)』と呼ばれる関数です。上の(2.55)式において、が階段関数(で1、で0となる関数)で表されていることからも分かるように、は、でゼロとなるため、これは『遅延グリ…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形5

「次に、下の式の交換関係を計算してみましょう」 「ここで、下の(2.20)式から、交換関係が成り立ちますが、交換関係の左右の項を入れ替えると符号が入れ替わります」 (2.20) 「上式においてとを入れ替えても一般性は失われず、また、デルタ関数の原点に関す…

デルタ関数の微分計算の一例

「デルタ関数を試験関数とセットで取り扱うことによって、デルタ関数の微分の問題を、試験関数の微分の問題にすり替えることができます」 「ほんとにそんな小手先のテクニックで、デルタ関数の微分を計算できるの?」 胡散臭そうな目で一宮がいった。「そう…

デルタ関数の微分を計算する方法

「それで、超関数を使ってどうやってデルタ関数の微分を計算するのよ?」 一宮は胡散臭そうな目をしながら越野さんに訊ねた。 「デルタ関数の微分を計算するには、次のような超関数を考えます」 「ここで、微分の公式からがいえるので、これをからまで積分す…

超関数とは

「ここで、上式の1行目の右辺第1項の括弧()内を計算するため、デルタ関数の微分を計算する必要があります」 「デルタ関数の微分?」 一宮は腑に落ちないような顔をして首を傾げた。 「でも、それってちょっとおかしくない。デルタ関数は下図のように、と…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形4

「ここで、上の3行目の式は、の形を有するため、クライン‐ゴルドン方程式の関係からゼロになることがわかります」 クライン‐ゴルドン方程式 (2.7) 「それゆえ、は次のようになります」 「また、階段関数を微分するとデルタ関数になります」 階段関数の微分→…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形3

(2.55) 「ここで、(2.55)式の量を理解するために、を計算してみましょう。ちなみに、この計算は、に(2.7)式のクライン‐ゴルドン方程式の演算子を作用させるのと同じ計算です」 クライン‐ゴルドン方程式 (2.7) 「最初に、(2.55)式に基づいて、を計算してみま…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形2

「一方、の場合は、全体の積分経路Cは、下図のように反時計回りになります」「このとき、積分経路Cは、極値を内部に含まないため、積分の値はゼロになります」 (2.54) 「それゆえ、(2.54)式の最後の行は、極のまわりを回る積分を表すとともに、のように表す…

留数定理による複素積分の計算

「次に、積分の被積分関数をとして、実際に、留数を求めてみましょう」 被積分関数 「は1位の極なので、留数は次の関係から求めることができます」 「として、上の関係式から留数を求めてみます」 「したがって、留数定理からの積分を求めることができます…

複素平面上の回転

(2.54) 「ここで、複素平面上において、下図のようにの極を回避するような積分経路を考え、この積分経路に沿って積分変数の積分を行います」「の場合、下図に示されるように、下方から半円を描くように近づく閉じた積分経路Cが考えられ、この積分経路C内に2…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形1

クライン‐ゴルドンプロパゲーター「次に、クライン‐ゴルドン場の交換関係についてもう少し調べてみることにします。この交換関係は数(古典的な数(classical number)。普通の数と考えるといいです)であるため、と書くことができます。なぜなら、を数とす…

超光速の粒子と反粒子の関係

(2.52) (2.53) 「ここで、第1項は、からへの粒子(または反粒子)の伝搬を表し、第2項は、からへの反粒子(または粒子)の伝搬を表すことは、前回お話しました」 :からへの粒子(または反粒子)の伝搬を表す :からへの反粒子(または粒子)の伝搬を表す …

超光速の粒子に働く超光速の相関

「それで、結局のところ、超光速の粒子は存在するの?」 一宮が訊ねる。 「クライン‐ゴルドン場の理論によれば、超光速の粒子は存在することになります」 「ほんとなの?」 予想外の言葉に意表をつかれたように、一宮は押し黙った。 「本当です。実際、超光…

複素クライン‐ゴルドン場の伝搬振幅の物理的意味

「第2.1節の終わりで示唆したように、クライン‐ゴルドン理論において、因果律が保たれることが分かりました。しかしながら、このメカニズムを適切に理解するために、粒子と反粒子の区別ができる複素クライン‐ゴルドン場(complex Klien-Gordon field)を含む…

光速より遅い時間的領域の因果律

「次に、光速よりも遅い時間的領域の因果律について考えてみます」「の時間的領域内においては、点を始点として、点から点に連続的に回転することができません。なぜなら、点を始点として、から点まで回転するには、上図に示すように、光円錐の外側の空間的…

超光速の空間的領域の因果律

(2.53) 「ここで、上の計算結果に基づいて、超光速の空間的領域の因果律について検討してみましょう。図2.4に示されるように、のとき、すなわち超光速の空間的領域内においては、(各項は独立にローレンツ不変であるため)第2項にとなるローレンツ変換を実…

クライン‐ゴルドン場の交換関係の導出2

「次に、生成・消滅演算子の交換関係(2.29)式から、の交換関係を導くことができます」 (2.29) 「この関係を代入すると、の交換関係は、次のようになります」 「なお、最後の行において、(2.50)式の関係を用いました」 (2.50) 「以上から、クライン−ゴルドン…

クライン−ゴルドン場の交換関係の導出1

「時間が同時()の場合は、次の(2.20)式により、交換関係がゼロになることは既に見ました」 (2.20) 「次に、任意の時刻を想定した、より一般的な計算をしてみましょう。(2.47)式から、一般的なクライン−ゴルドン場の交換関係を計算することができます」 (2.…

交換関係と因果律の関係

交換関係と不確定性との間の関係 1.交換関係がゼロでない→一方の量の測定によって、もう一方の量が不確定になる 2.交換関係がゼロ→ある測定は、他の測定に影響を与えない(不確定にならない) 「空間的な領域において場の交換関係がゼロでない場合、一方…

交換関係の物理的意味

「ここで、測定を試みることができるもっとも簡単なものは場なので、交換関係を計算してみましょう。この交換関係がゼロになれば、ある測定は、他の測定に影響を与えることができません」 交換関係がゼロになる ↓ ある測定は、他の測定に影響を与えることが…

因果律が保たれているか否かの検証の大まかな流れ

「時間的・空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅が求まったので、これらの結果に基づいて、因果律について考察してみましょう」 (2.52) 「前回導いた(2.52)式から、空間的な領域、すなわち、光円錐の外側では、伝搬振幅が指数関数的に減衰しますが、…

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出5

反射的に後ろを振り向くと、俺の目と鼻の先に一人の小柄な少女が立っていた。 武者さんだった。 彼女が小脇に抱えているのがディラックの「量子力學」でなく、暗殺用の短剣なら、俺は彼女の気配に気づくこともなく死んでいただろう。 恐るべきステルス能力に…

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出4

「以上から、は、次式のようになることがわかりました」 「次に、この積分を評価してみましょう」 「ちょっと待って!」 突然、一宮が待ったをかけた。俺たちは一宮の顔を見た。 「上の積分経路って、ひょっとして虚数軸を通っているんじゃないの?」 「そう…

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出4

「次に、とおいて、積分変数をからに変換したときの、積分区間の変化を見てみましょう。の関係から積分区間の変化は次のようになります」 「ここで、は実数軸上の変数に対応し、は虚数軸上の変数に対応します。図2.3から虚数軸のからまでの間には、被積分関…

複素積分における積分路の変形

「次に、空間的なクライン‐ゴルドン場の伝搬粒子の振幅の具体的な値を計算してみましょう」 「上式の被積分関数を複素関数に拡張して考えると、図2.3に示されるように、から始まる虚軸上の分岐(ぶんき)(branch cut)を有します」 図2.3 空間的距離上の伝…

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出3

「次に、において、と変数変換すると、の関係が成り立ち、また、Einsteinの関係式からとなるため、次のように変形することができます」 「ここで、右辺の式において、と置き換えても一般性は失われないので、結局は、と置き換えることができます」 「この関…

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出2

「次に、体積積分を計算するために、直交座標系から極座標系への積分変換を行います」 直交座標系から極座標系への積分変換 「この積分変換により、は次のようになります」 「ここで、とおくと、から、次のようになります」

空間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出1

「次に、x-yが純粋に空間的な場合、すなわち、の場合を考えてみます。このとき、(2.50)式より振幅は次のようになります」 (2.50) 「ちょっと待ってよ! どうして指数関数の肩の符号がマイナスじゃなくて、プラスになってるのよ!」 一宮が、もの問いたげな目…

時間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出3

「ここで、時間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の大きさを実際に評価してみましょう」 「について、の極限において、指数関数からの寄与は指数関数的に増大するため、からの寄与に比べてからの寄与は無視できます。それゆえ、と書くことができます…

時間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出2

「次に、上の積分を計算するため、積分変数をからに変換します。ここで、をで微分すると次のようになります」 「この関係を代入すると、は、次のように簡単な式になります」 「次に、から、となるため、この式を上の式に代入すると、エネルギーEについてのの…

時間的な伝搬粒子のクライン‐ゴルドン場の振幅の導出1

「前回の計算により、時空間のクライン‐ゴルドン場の伝搬粒子の振幅は、次のようになることが分かりました」 (2.50) 「この形の積分は、(2.40)からローレンツ不変になることをすでに説明しました」 (2.40) 「次に、のいくつか特定の値について、実際にこの積…

時空間のクライン‐ゴルドン場の伝搬粒子の振幅の導出2

↓ 、、、 「前回の考察から、上の4つの項のうち、唯一ゼロにならない項は、となります。この結果を踏まえて、実際にを計算してみましょう」 時空間のクライン−ゴルドン場 (2.47) 「計算には、上の(2.47)式を代入します」 「ここで、次の(2.29)式を用いてを…

時空間のクライン‐ゴルドン場の伝搬粒子の振幅の導出1

因果律「それでは、次に、因果律の問題について考えてみたいと思います。Heisenberg描像において、yからxに伝搬する1粒子の振幅は、と書くことができます。ブラケットを右から左に読む、という規則に従えば、は、yに1粒子が存在する状態からxに1粒子が存…

時空間のクライン‐ゴルドン場の物理的意味2

時空間のクライン−ゴルドン場 (2.47) 「時空間のクライン‐ゴルドン場の指数関数内の時間依存性には、プラスとマイナスの両方の符号が現れます。すなわち、が常に正であるとしたとき、およびの両方を見いだすことができます。仮に、これらが単一粒子の波動関…

時空間のクライン‐ゴルドン場の物理的意味1

「ここで、(2.47)式の物理的な意味について考えてみましょう」 (2.47) 「(2.47)式は、量子場の粒子と波の二重性の解釈を明確にします。すなわち、は、励起された場の量子である粒子を生成・消滅させるヒルベルト空間演算子として記載される一方で、は、クラ…

時空間のクライン‐ゴルドン場

(2.48) 「上の(2.48)式の左右からそれぞれおよびをかけて、時間に依存した式に書き換えることによって、次の(2.49)式が成り立つことがわかります」 (2.49) 「なお、、としました。上の式の右辺は、のみが含まれ、時間に依存していないように見えますが、実際…

運動量演算子と生成・消滅演算子の関係式の導出

「下の運動量演算子と生成・消滅演算子との交換関係から、ととの間の関係式を求めてみましょう」 「上の式から、次の式が導かれます」 「ここで、上の消滅演算子の関係式からを計算してみます」 「また、についても同様に計算することができます」 「この関…

運動量演算子と生成・消滅演算子との交換関係

「次に、Hの代わりにPについて同様の操作を実行して、ととを関連付けることを考えてみます。(2.46)式と同様に、次の(2.48)式を示すことができます」 (2.48) 「ここで、であり、小文字のpと異なります」 「同じ文字なのに、小文字と大文字とで異なるなんて、…

クライン‐ゴルドン場とその運動量密度の時間に依存した表式

「次に、ハイゼンベルク演算子の望ましい式を導いてみましょう。ここで、時間に独立なSchrodinger描像の昇降演算子を表すため、記号を常に用いることにします。具体的な計算方法としては、(2.25)式の左右からそれぞれをかけて、(2.43)式の関係を用います」 (…

ハミルトニアンと生成・消滅演算子の関係式の導出

「上の関係を用いることによって、次の関係式を導くことができます」 (2.46) 「ちょっと! どうしてそんな関係式が成り立つのよ?」 一宮が理解できないといった風に、頭をかきむしった。 「上の計算には、少し飛躍があるかもしれませんね。でも、(2.46)式は…

ハミルトニアンと生成・消滅演算子との交換関係

「ところで、およびの時間依存性は、生成・消滅演算子の観点からより深く理解することができます。例えば、(2.32)式およびの関係から、ハミルトニアンと消滅演算子との間には、次の関係が成り立ちます」 (2.32) 「それゆえ、任意のnに対して、は次のようにな…

クライン‐ゴルドン方程式の導出

「以上の結果をまとめると、次のようになります」 「次に、の式の2階微分を行うことによって、これらの2つの式を組み合わせてみましょう」 「これから、次の(2.45)式を導くことができます」 (2.45) 「これはまさしく、クライン-ゴルドン方程式となっていま…

運動量密度の時間依存性

「クライン‐ゴルドン場の時間依存性と同様に、運動量密度 の時間依存性も、Heisenbergの運動方程式から同様に計算できます」 (2.44) 「ここで、上式の右辺の交換子の右側の第1項に着目すると、の形を持ちますが、交換子の公式および(2.20)式から、次のよう…

クライン‐ゴルドン場の時間依存性

(2.44) 「Heisenbergの運動方程式に(2.8)式のハミルトニアンHを代入すると、およびの時間依存性を計算することができます」 (2.8) 「ここで、上式の右辺の交換子の右側の第3項に着目すると、の形を持ちますが、交換子の公式および(2.20)式から、次のように0…

Heisenbergの運動方程式

2.4 時空内のクライン-ゴルドン場「前の節では、Schrodinger描像のクライン-ゴルドン場を量子化し、結果として生じた理論を相対論的粒子の観点から解釈しました。この節では、Heisenberg描像に切り換えて考えることにします」 「どうしてHeisenberg描像で考…

状態pの一粒子波動関数の位置空間表示

(2.41) 「非相対論的な場合と同様の解釈を突き進めると、演算子が真空に作用すると、位置xに粒子が生成されるものとみなすこともできます」 真空に演算子が作用する → 位置xに粒子が生成される 「この解釈はさらに、(2.35)式を用いて、以下の計算をすること…

位置xの固有状態の相対論的な表式

(2.40) 「(2.40)式の積分は、f(p)がローレンツ不変なら、もローレンツ不変になるという意味において、ローレンツ不変の3元運動量の積分です。この積分は、図2.2に示されるように、4元運動量空間における双曲面の分枝上にあるものと考えられます」 図2.2 ロ…

ローレンツ不変3元運動量積分公式の導出

「以上述べたローレンツ不変規格化においては、他の場所においてで割る必要があります。例えば、1粒子状態の完備関係式は、次のようになります」 (2.39) 「(2.39)式において、左辺の演算子は、1粒子状態の部分空間内の恒等演算子であり、ヒルベルト空間の…