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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

デルタ関数の積分

 \langle i\mid i\rangle=4E_{p}E_{k}V^2

「始状態のブラケットが計算できたところで、次に、散乱をあらわすブラケットを計算してみましょう。散乱をあらわすブラケット \langle\,f\mid \hat{S} \mid i\,\rangleは、散乱振幅 Mを使って、次のように書くことができることは、以前お話しました」

\langle\,f\mid \hat{S} \mid i\,\rangle=(2\pi)^4C\delta^4({\bf{k}}+{\bf{k}^\prime}-{\bf{p}}-{\bf{p}^\prime})M

 \delta^4({\bf{k}}+{\bf{k}^\prime}-{\bf{p}}-{\bf{p}^\prime})は、エネルギー(1次元)と運動量(3次元)を含む4元運動量のデルタ関数であることを示すために、 \deltaの頭に4という数字を付けています。また、Cは、積分したときに現れる係数をあらわします。ここで、散乱が起こる時間を T、散乱が起こる空間の体積をVとすると、さきほどの始状態のブラケットの積分では、係数 C=\frac{V}{(2\pi)^3}をかけました。この係数は、デルタ関数 \delta^3(x)を位置xの関数として積分したときにあらわれる全空間の体積Vに、3次元の運動量空間への変換係数 \frac{1}{(2\pi)^3}をかけたものです」

全空間でのデルタ関数 \delta^3(x)積分 \langle 0\mid \delta^3(x) \mid 0\rangle=V

 ↓ 運動量(3次元)への変換係数 \times\frac{1}{(2\pi)^3}

全運動量空間でのデルタ関数 \delta^3(p)積分 \langle 0\mid \delta^3(p) \mid 0\rangle=\frac{V}{(2\pi)^3}

「一方、4元運動量のデルタ関数 \delta^3(p)積分の場合は、全時空間で積分したときにあらわれるTVに、4元運動量空間への変換係数 \frac{1}{(2\pi)^4}をかけた \frac{TV}{(2\pi)^4}が係数Cとなります」

全時空間でのデルタ関数 \delta^4(x)積分 \langle 0\mid \delta^4(x) \mid 0\rangle=TV

 ↓ 4元運動量への変換係数 \times\frac{1}{(2\pi)^4}

全4元運動量空間でのデルタ関数 \delta^4(p)積分 \langle 0\mid \delta^4(p) \mid 0\rangle=\frac{TV}{(2\pi)^4}

「以上を考慮すれば、|\langle\,f\mid \hat{S} \mid i\,\rangle|^2は、次のようになります」

|\langle\,f\mid \hat{S} \mid i\,\rangle|^2=(2\pi)^4TV\delta^4({\bf{k}}+{\bf{k}^\prime}-{\bf{p}}-{\bf{p}^\prime})|M|^2

「したがって、散乱の微小確率 d\Gammaは次のようにあらわすことができます」

散乱の微小確率: 
d\Gamma =\frac{|\langle\,f\mid \hat{S} \mid i\,\rangle|^2}{\langle\,i\mid i\,\rangle}\frac{d^3\bf{k}}{(2\pi)^32E_k} \frac{d^3\bf{k}^\prime}{(2\pi)^32E_k^\prime}
 =\frac{T|M|^2}{64\pi^2V E_pE_p^\prime E_k E_k^\prime}\delta^4({\bf{k}}+{\bf{k}^\prime}-{\bf{p}}-{\bf{p}^\prime})d^3{\bf{k}} d^3{\bf{k}^\prime}