デルタ関数の積分
「始状態のブラケットが計算できたところで、次に、散乱をあらわすブラケットを計算してみましょう。散乱をあらわすブラケットは、散乱振幅を使って、次のように書くことができることは、以前お話しました」
「は、エネルギー(1次元)と運動量(3次元)を含む4元運動量のデルタ関数であることを示すために、の頭に4という数字を付けています。また、Cは、積分したときに現れる係数をあらわします。ここで、散乱が起こる時間を、散乱が起こる空間の体積をとすると、さきほどの始状態のブラケットの積分では、係数をかけました。この係数は、デルタ関数を位置xの関数として積分したときにあらわれる全空間の体積Vに、3次元の運動量空間への変換係数をかけたものです」
↓ 運動量(3次元)への変換係数
「一方、4元運動量のデルタ関数の積分の場合は、全時空間で積分したときにあらわれるTVに、4元運動量空間への変換係数をかけたが係数Cとなります」
↓ 4元運動量への変換係数
「以上を考慮すれば、は、次のようになります」
「したがって、散乱の微小確率は次のようにあらわすことができます」
散乱の微小確率: