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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

場の量子論とは

量子力学は、ミクロの世界の対象を扱う力学というのは、よく分かったわ。それじゃ、場の量子論って何よ?」
 一宮が再び質問する。
「場の量子論では、電場や磁場のように、目には見えませんが、時空間を満たす『場』という存在を考えます」
「場?」
「さきほどのゲームの例でいえば、機体もエネルギー弾も描かれていない領域には、何も存在しないように見えますよね。でも、実際には、これら何もない領域にも『画素』というものが存在しています。そして、この画素は、ディスプレイの画面全体に広がっており、一つ一つの画素に三原色(赤、青、緑)の各色の情報を与えることによって、機体やエネルギー弾などが表示されます」

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「この画素に相当するのが、場です。つまり、画素に各色の情報を与えることで、機体やエネルギー弾が表示されるように、時空間を満たす場の一部が振動することにより、粒子やエネルギー量子が生まれるのです」

ゲームのアナロジー
ディスプレイの画面→時空間
ディスプレイの画面の画素→時空間を満たす場
画素に各色の情報を与える→場の一部が振動する
機体→物質(粒子)
エネルギー弾→エネルギー(量子)

「もっとも、画素のような最小単位が、実際の時空間にも存在するかどうかは、現在でもはっきりとは分かっていません。でも、場の量子論においては、粒子もエネルギー量子も、時空間と異なる存在ではなく、時空間を満たす場の一部が振動して粒子やエネルギー量子のように振る舞うものと考えるのです」

場の量子論では、粒子とエネルギー量子は、時空間と異なる存在ではなく、空間を満たす場の一部が振動して粒子やエネルギー量子のように振る舞うものと考える

「場の量子論の考え方によれば、粒子の運動とは、場の振動が時空間を連鎖的に伝わっていく現象であるものと考えます。これは、ゲームのアナロジーでいえば、時間の経過とともに、連鎖的に隣接する画素に各色の情報を与えることによって、機体やエネルギー弾の動きが表現されることに相当します」

粒子の運動:場の振動が時空間を連鎖的に伝わっていく現象

「それゆえ、量子力学と場の量子論の一番大きな違いは、時空間の考え方にあるものと考えることもできます。つまり、量子力学では、時空間は、粒子とは異なる存在であるのに対し、場の量子論では、時空間は粒子と異なる存在ではなく、粒子は時空間を満たす場が振動したものであると考える点で大きく異なるのです」

量子力学と場の量子論における時空間の考え方の違い
量子力学:時空間は、粒子と異なる存在と考える
場の量子論:時空間は粒子と異なる存在ではなく、粒子は時空間を満たす場が振動したものと考える

「上のゲームの例でいえば、量子力学の考え方は、ディスプレイの画面内を機体やエネルギー弾がどのように運動するのかを細かく調べることであるのに対し、場の量子論の考え方は、ディスプレイの画素に各色の情報が与えられると、どのように機体やエネルギー弾の運動が生じるのかを細かく調べることであると考えることもできます」

ゲームのアナロジーによる量子力学と場の量子論の考え方の違い
量子力学の考え方:ディスプレイの画面内を機体やエネルギー弾がどのように運動するのかを細かく調べる
場の量子論の考え方:ディスプレイの画素に各色の情報が与えられると、どのように機体やエネルギー弾の運動が生じるのかを細かく調べる