非相対論的な粒子の振幅
「積分による完備関係式、を用いると、ケットベクトルは、次のように、運動量空間の正規直交系で展開できます」
「展開の結果、という式があらわれますが、これはx-表示からp-表示への変換関数と呼ばれます」
:x-表示からp-表示への変換関数
「ここで、の物理的な意味を考えてみましょう。ブラケットを右から左に読むルールに従って考えると、は、始状態を前提として、終状態を見出す確率振幅を意味することがわかります。これからは、固有値の運動量固有状態において、位置に粒子を見出す確率振幅とみなすことができます」
:固有値の運動量固有状態において、位置に粒子を見出す確率振幅
「自由粒子の場合、運動量の波動関数は、平面波であらわされ、これが固有値の運動量固有状態において、位置に粒子を見出す確率振幅をあらわします。それゆえ、は、次のように書くことができます」
「また、上式の複素共役をとってをに置き換えれば、を導くことができます」
「これらの結果を用いると、非相対論的な自由粒子の振幅U(t)は結局、次のようになります」
「なお、上式の末尾から3〜2行目のの積分には、の関係を用いて、指数関数の積分をと分離してから、以下のガウス積分の公式を用いました」
「ここで、指数関数が、下図のように複素平面上の単位円上の1点であらわせることを考慮すれば、非相対論的な粒子の振幅U(t)は、あらゆる位置xと時間tに対して0でないことがわかります」
「そして、テキストによれば、あらゆる位置xと時間tに対して粒子の振幅U(t)が0でないということは、粒子がどんな2点間も任意の時間で伝搬しうることを示しているとのことです」
非相対論的な粒子の振幅U(t)は、あらゆる位置xと時間tに対して0でない
↓
粒子は、どんな2点間も任意の時間で伝搬しうる