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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

クライン-ゴルドン方程式の導出


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
a^\mu b_\mu=g_{\mu\nu}a^{\mu}b^{\nu}=\Sigma_{\mu, \nu=0}^{3}g_{\mu\nu}a^{\mu}b^{\nu}
\end{eqnarray}
}

「ここで、上のような上付きの添字と下付きの添字がセットになったものは、『内積』を表し、ローレンツ変換に対して不変な量となることが知られています。また、ラグランジアン \mathcal{L}ローレンツ変換に対して不変な量なので、その運動項は、実際には次のように上付きの添字 \muと下付きの添字 \muがセットになっています」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}&=&\frac{1}{2}\dot{\phi}^2-\frac{1}{2}(\nabla \phi)^2-\frac{1}{2}m^2\phi^2\\
&=&\frac{1}{2}(\partial_\mu\phi)^2-\frac{1}{2}m^2\phi^2\\
&=&\frac{1}{2}(\partial^\mu\phi)(\partial_\mu\phi)-\frac{1}{2}m^2\phi^2
\end{eqnarray}
}

(2.6)

「これから、次のようなオイラーラグランジュ方程式が導かれます」

オイラーラグランジュ方程式
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\partial_\mu\bigg(\frac{\partial\mathcal{L}}{\partial(\partial_\mu\phi)}\bigg)-\frac{\partial\mathcal{L}}{\partial\phi}
&=&\partial_\mu(\partial^\mu\phi)-(-m^2\phi)\\
&=&(\partial^\mu\partial_\mu+m^2)\phi\\
&=&0
\end{eqnarray}
}

「ここで、上付きの添字 \muと下付きの添字 \muがセットになったものは、互いに入れ替え可能であることに注意してください。2行目の式の右辺の第1項は、4次元時空の2階微分、すなわち、時間 tと空間 x, y, zの2階微分をとって和をとったものに相当します。ただし、前回説明したように、時間 tと空間 x, y, zは負の関係で結ばれています。このオイラーラグランジュ方程式は、次のような形に書くこともできます」

オイラーラグランジュ方程式
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\bigg(\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\nabla^2+m^2\bigg)\phi=0 \,\,\,\,\,\,\,\,\,  \textrm{or} \,\,\, \,\,\,\,\,\,  (\partial^\mu\partial_\mu+m^2)\phi=0
\end{eqnarray}
}

 \nablaは『ナブラ(nabla)』と呼ばれ、3次元空間の場合、次のように表されます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\nabla&=&\bigg(\frac{\partial}{\partial x}, \frac{\partial}{\partial y}, \frac{\partial}{\partial z}\bigg)
\end{eqnarray}
}

「そして、 \nabla^2は、 \nabla内積をとったものであり、ラプラシアン(Laplacian)とも呼ばれ(記号は \Delta)、3次元空間の場合、次のように表されます」

ラプラシアン(Laplacian)
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\Delta&=&\nabla^2=\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}+\frac{\partial^2}{\partial z^2}
\end{eqnarray}
}

「実は、このようにして導かれたオイラーラグランジュ方程式は、『クライン−ゴルドン(Klein-Gordon)方程式』としても知られています」

クライン・ゴルドン(Klein-Gordon)方程式
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\bigg(\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\nabla^2+m^2\bigg)\phi=0 \,\,\,\,\,\,\,\,\,  \textrm{or} \,\,\, \,\,\,\,\,\,  (\partial^\mu\partial_\mu+m^2)\phi=0
\end{eqnarray}
}

「クライン−ゴルドン方程式?」
「クライン−ゴルドン方程式は、スピン0の相対論的な自由場\phi(クライン−ゴルドン場)が満たす波動方程式です」

クライン−ゴルドン(Klein-Gordon)方程式:
スピン0の相対論的な自由場\phi(クライン−ゴルドン場)が満たす波動方程式

「クライン−ゴルドン方程式は、ローレンツ変換に対して不変な波動方程式です。また、クライン−ゴルドン方程式は、『ダランベルシアン(d'Alembertian )』と呼ばれる記号\Boxを用いて簡単に表すこともできます」

ダランベルシアン(d'Alembertian )
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\Box=\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\nabla^2
\end{eqnarray}
}

ダランベルシアンで表現されたクライン−ゴルドン方程式
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
(\Box+m^2)\phi=0
\end{eqnarray}
}

「馬鹿みたいに単純な式ね」