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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

デルタ関数のローレンツブースト

「ここで、ある慣性系Aから見て、別の慣性系Bが p_3方向に-Vの速さで進む場合を想定します。このとき、  \beta=\frac{v}{c}, \gamma=\frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}}とすると、ローレンツブーストにより、運動量とエネルギーは、次のように変換されることが一般的に知られています」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
p_3’&=&\gamma(p_3+\beta E)\\
E’&=&\gamma(E+\beta p_3)
\end{eqnarray}
}

「ここで、デルタ関数\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})ローレンツブーストを求めてみましょう。そのため、次のδ関数の恒等式を利用します」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta(f(x)-f(x_0))=\frac{1}{\mid f’(x_0)\mid}\delta(x-x_0).
\end{eqnarray}
}
(2.34)

「どうしてそんな式が成り立つのよ?」
「この式を証明するには、次のδ関数の公式を使います」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta(ax)=\frac{1}{\mid a\mid}\delta(x)
\end{eqnarray}
}

「なお、この公式はどの教科書にも記載されているので、ここでは証明は行いません。ここで、 x_0の近傍の点を xとすると、 x_0近傍の傾き f'(x)は、次のように書くことができます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
f'(x)=\frac{f(x)-f(x_0)}{x-x_0}
\end{eqnarray}
}

「これから、 f(x)-f(x_0)=f'(x)(x-x_0)の関係がいえるので、上の公式を用いることによって、問題の関係式が得られます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta(f(x)-f(x_0))=\delta(f'(x)(x-x_0))=\frac{1}{\mid f'(x)\mid}\delta(x-x_0)
\end{eqnarray}
}

「ここで、 x\rightarrow p, x_0\rightarrow q, f(x)\rightarrow p’と置き換えると、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})&=&\frac{1}{\frac{dp_3'}{dp_3}}\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})\\
\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\cdot\frac{dp_3’}{dp_3}
\end{eqnarray}
}

「次に、運動量についてのローレンツブーストの変換式 p_3’=\gamma(p_3+\beta E) p_3微分すると、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\frac{dp_3’}{dp_3}=\gamma\bigg(1+\beta \frac{dE}{dp_3}\bigg)
\end{eqnarray}
}

「そこで、上式を \delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})の式に代入すると、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\gamma\bigg(1+\beta \frac{dE}{dp_3}\bigg)\\
&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\frac{\gamma}{E}\bigg(1+\beta \frac{EdE}{dp_3}\bigg)
\end{eqnarray}
}

「次に、エネルギー E=\sqrt{\mid{\bf{p}}|^2+m^2}=(\mid{\bf{p}}|^2+m^2)^{1/2} p_3微分すると、次の式が得られます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\frac{dE}{dp_3}&=&\frac{2p_3}{2(\mid{\bf{p}}|^2+m^2)^{1/2}}=\frac{p_3}{E}\\
\therefore EdE&=&p_3dp_3
\end{eqnarray}
}

「この関係を上式の右辺第2項に代入すると、結局、デルタ関数ローレンツブーストは、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\frac{\gamma}{E}\bigg(1+\beta \frac{EdE}{dp_3}\bigg)\\
&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\frac{\gamma}{E}\bigg(1+\beta \frac{p_3dp_3}{dp_3}\bigg)\\
&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\frac{E’}{E}.
\end{eqnarray}
}

「なお、最後の行への変形において、エネルギーについてのローレンツブーストの変換式 E’=\gamma(E+\beta p_3)を用いました」