ローレンツ不変規格化とは
「ローレンツブーストのもとでは、一般に、体積が不変ではありません。例えば、静止座標において、体積Vの箱をローレンツブーストすると、ブーストされた座標では、ローレンツ収縮によって、箱の体積は ()になることが知られています」
体積Vの箱
↓ ローレンツブースト
箱の体積は ()になる
「しかしながら、前回求めた関係式から、となることがわかりました」
「それゆえ、量は、ローレンツブーストによっても形が変わらない、すなわちローレンツ不変となることが分かります。そこで、を次のように定義することにします」
(2.35)
「このようにすれば、内積は、次のようにローレンツ不変となります」
「なお、1行目から2行目への式変形において、生成・消滅演算子の交換関係を用いました」
(2.29)
「したがって、次の(2.36)式の関係が成り立ちます」
(2.36)
「ちょっと待って。この係数2は何なのよ?」
「この係数2は、本来不必要なものですが、(2.25)式の2の値を打ち消すため、便利なので入れています」
(2.25)
「このように、エネルギーをかけることによって、ローレンツ不変な規格化を行うことが可能となるのです。このような規格化をローレンツ不変規格化と呼びます」