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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

ローレンツ不変規格化とは

ローレンツブーストのもとでは、一般に、体積が不変ではありません。例えば、静止座標において、体積Vの箱をローレンツブーストすると、ブーストされた座標では、ローレンツ収縮によって、箱の体積は V/\gamma \beta=\frac{v}{c}, \gamma=\frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}})になることが知られています」

体積Vの箱
 ↓ ローレンツブースト
箱の体積は V/\gamma \beta=\frac{v}{c}, \gamma=\frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}})になる

「しかしながら、前回求めた関係式から、 E\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})=E’\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})となることがわかりました」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}})&=&\delta^{(3)}({\bf{p}’}-{\bf{q}’})\frac{E’}{E}.
\end{eqnarray}
}

「それゆえ、量 E_p\delta^{(3)}(p-q)は、ローレンツブーストによっても形が変わらない、すなわちローレンツ不変となることが分かります。そこで、 \mid{\bf{p}}\rangleを次のように定義することにします」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\mid{\bf{p}}\rangle=\sqrt{2E_{\bf{p}}}a_{\bf{p}}^\dagger\mid 0\rangle.
\end{eqnarray}
}
(2.35)

「このようにすれば、内積 \langle {\bf{p}}|{\bf{q}}\rangleは、次のようにローレンツ不変となります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\langle {\bf{p}}|{\bf{q}}\rangle&=&2E_{\bf{p}}\langle 0|a_{\bf{p}}a_{\bf{q}}^\dagger|0\rangle\\
&=&2E_{\bf{p}}\langle 0|(a_{\bf{q}}^\dagger a_{\bf{p}}+(2\pi)^3\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}}) |0\rangle\\
&=&2E_{\bf{p}}(2\pi)^3\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}}).
\end{eqnarray}
}

「なお、1行目から2行目への式変形において、生成・消滅演算子の交換関係を用いました」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
[a_{\bf{p}}, a_{\bf{p}'}^\dagger]&=&a_{\bf{p}}a_{\bf{p}'}^\dagger-a_{\bf{p}'}^\dagger a_{\bf{p}}=(2\pi)^3\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{p}'}).
\end{eqnarray}
}
(2.29)

「したがって、次の(2.36)式の関係が成り立ちます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\langle {\bf{p}}|{\bf{q}}\rangle&=&2E_{\bf{p}}(2\pi)^3\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{q}}).
\end{eqnarray}
}
(2.36)

「ちょっと待って。この係数2は何なのよ?」
「この係数2は、本来不必要なものですが、(2.25)式の2の値を打ち消すため、便利なので入れています」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi({\bf{x}})&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{\sqrt{2\omega_{\bf{p}}}}\big(a_{\bf{p}}e^{i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}+a_{\bf{p}}^{\dagger}e^{-i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}\big);
\end{eqnarray}
}
(2.25)

「このように、エネルギー E_{\bf{p}}をかけることによって、ローレンツ不変な規格化を行うことが可能となるのです。このような規格化をローレンツ不変規格化と呼びます」