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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

クライン‐ゴルドン演算子の遅延グリーン関数


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D_R(x-y)\equiv \theta(x^0-y^0)\langle0\mid[\phi(x), \phi(y)]\mid0\rangle.
\end{eqnarray}
}
(2.55)


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
(\partial^2+m^2)D_R(x-y)&=&\big(\partial^2\theta(x^0-y^0)\big)\langle0\mid[\phi(x), \phi(y)]\mid0\rangle\\
&+&2\big(\partial_\mu\theta(x^0-y^0)\big)(\partial^\mu\langle0\mid[\phi(x), \phi(y)]\mid0\rangle)\\
&+&\theta(x^0-y^0)(\partial^2+m^2)\langle0\mid[\phi(x), \phi(y)]\mid0\rangle\\
&=&-\delta(x^0-y^0)\langle0\mid[\pi(x), \phi(y)]\mid0\rangle\\
&+&2\delta(x^0-y^0)\langle0\mid[\pi(x), \phi(y)]\mid0\rangle+0\\
&=&-i\delta^{(4)}(x-y).
\end{eqnarray}
}
(2.56)

「ところで、 D_R(x-y)は、『クライン‐ゴルドン演算子グリーン関数(Green function)』と呼ばれる関数です。上の(2.55)式において、 D_R(x-y)が階段関数 \theta(x) x\ge0で1、x<0で0となる関数)で表されていることからも分かるように、 D_R(x-y)は、 x^0\lt y^0でゼロとなるため、これは『遅延グリーン関数(retarded Green function)』と呼ばれます」
「ちょっと待って! そもそも『グリーン関数』って何よ?」
 一宮がいらついた調子で尋ねた。
グリーン関数とは、一言でいえば、粒子や振動などが伝搬する様子を表す関数です。そのため、グリーン関数は、伝播関数とも呼ばれます」

グリーン関数(Green function)(伝播関数):粒子や振動などが伝搬する様子を表す関数

「特に、過去のある時点 yで発生した振動が、未来の時点 xにのみ伝わるとき、すなわち、未来から過去にさかのぼって伝わることがないとき、このような伝播を表す関数を遅延グリーン関数と呼びます」

遅延グリーン関数(retarded Green function):粒子や振動などが過去から未来へのみ伝搬する様子を表す関数

「また、『演算子(operator)』というのは、量子力学において古典的な物理量に対応するものです。空間を満たす場 \phi(x)演算子が作用することによって、その演算子に対応する物理量が生じることから、演算子とは、空間を満たす場 \phi(x)に作用して、粒子の位置や運動量などの物理量を生じさせるものと考えることもできます」

演算子(operator):空間を満たす場 \phi(x)に作用して、粒子の位置や運動量などの物理量を生じさせるもの

「したがって、『クライン‐ゴルドン演算子の遅延グリーン関数』とは、クライン‐ゴルドン場から生じた粒子が過去から未来に伝播する様子を表した関数と理解することができます」

クライン‐ゴルドン演算子の遅延グリーン関数:クライン‐ゴルドン場から生じた粒子が過去から未来に伝播する様子を表した関数