スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

クライン‐ゴルドン演算子のグリーン関数の導出

「それでは、具体的に D_F(x-y)を計算してみます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D_F(x-y)&\equiv&\int\frac{d^4p}{(2\pi)^4}\frac{i}{p^2-m^2+i\epsilon}e^{-ip\cdot(x-y)},
\end{eqnarray}
}
(2.59)

 x^0>y^0のとき、 p^0についての積分積分経路を下から近づけることによって、(2.54)式を導いたのと同様の手順で、(2.50)式の D(x-y)を得ることができます」

f:id:Dreistein:20150712120339p:plain


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D(x-y)&=&\langle0\mid\phi(x)\phi(y)\mid0\rangle=\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2E_{\bf{p}}}e^{-i{\bf{p}\cdot(\bf{x}-\bf{y})}}.
\end{eqnarray}
}
(2.50)

「一方、 x^0>y^0のときは、 p^0についての積分積分経路を上から近づけることによって、 xyとが入れ替わった D(y-x)を得ることができます」

f:id:Dreistein:20150712120323p:plain

「全体の積分経路が右回りから左回りになったことに注意すると、 D(y-x)は次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D(y-x)&=&-\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2(-E_{\bf{p}})}e^{i{\bf{p}\cdot(\bf{x}-\bf{y})}}&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2E_{\bf{p}}}e^{-i{\bf{p}\cdot(\bf{y}-\bf{x})}}
\end{eqnarray}
}

「以上から、次の(2.60)式が得られます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D_F(x-y)&=&\left\{
\begin{array}{l}
D(x-y) & \textrm{for } x^0\textrm{ > }y^0 \\
D(y-x) & \textrm{for } x^0\textrm{ < }y^0 \\
\end{array}
\right.\\
&=&\theta(x^0-y^0)\langle 0\mid \phi(x)\phi(y)\mid 0\rangle+\theta(y^0-x^0)\langle 0\mid \phi(y)\phi(x)\mid 0\rangle\\
&=&\langle0\mid T\phi(x)\phi(y)\mid0\rangle.
\end{eqnarray}
}
(2.60)

「なお、上式の第1行目から第2行目への変形には、次の(2.50)式の関係を用いました」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
D(x-y)&=&\langle 0\mid \phi(x)\phi(y)\mid 0\rangle=\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2E_{\bf{p}}}e^{-i{\bf{p}\cdot(\bf{x}-\bf{y})}}.
\end{eqnarray}
}
(2.50)