スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

エネルギー・運動量テンソルの00成分

(2.17) :エネルギー密度 :エネルギー流束の第成分() :運動量の第成分の密度() :運動量の第成分の流束の第成分 「エネルギー・運動量テンソルのうち、時間変換に関係した保存チャージは、ハミルトニアンとなります」 (2.18) 「(2.18)式が本当に成り立…

エネルギー・運動量テンソルとは

(2.17) 「は、場のエネルギー・運動量テンソル(stress-energy tensor、energy-momentum tensor)と呼ばれ、エネルギー・運動量の流れや密度を表すテンソルです」 エネルギー・運動量テンソル(stress-energy tensor、energy-momentum tensor): エネルギー…

エネルギー・運動量テンソルの導出

「ここで、ラグランジアンの無限小の平行移動の式と、以前求めたラグランジアンの変換式(2.10)とを比較してみます」 (2.10) 「このとき、となって、がゼロでないことが分かります。ここで、場の無限小の平行移動の式を(2.9)式と比較します」 (2.9) 「これか…

クロネッカーのデルタを用いた添字の変換

「無限小の平行移動によるラグランジアンの変換も、場と同じように書くことができます」 「ちょっと待ってよ! なんでいきなりが湧いてくるのよ!」 一宮が怒り心頭といった感じで叫び声をあげた。 お前な、ちょっとした式変形につまづくたびに、いちいちそ…

無限小の平行移動

「ネーターの定理は、平行移動や回転のような時空間の変換にも適用することができます。無限小の平行移動は次のように書けます」 「上式は、4次元時空間上の位置座標から無限小の距離だけ移動することを意味します。また、無限小の平行移動は、場の変換とし…

複素スカラー場のネーターカレントの導出

「次に、複素スカラー場のネーターカレントを導いてみます」 (2.15) 「ここで、およびは独立な場として扱います。また、これらはの実数および虚数部分と扱うこともできます。この場合、以前求めた(2.12)式において、の項の他に、の項も考える必要があります…

テイラー展開の直観的なイメージ

「教科書みたいな天下りの説明はもうたくさんだわ! そもそもどうして、テイラー展開やマクローリン展開みたいな関係が成り立つのよ?」 テイラー展開(Taylor expansion) マクローリン展開(Maclaurin expansion) 「それは難しい質問ですね……」 一宮の質…

テイラー展開とは

「次に、変換のもとで複素スカラー場のラグランジアンが不変の場合を考えてみます」 (2.14) 「以前、場の無限小の変換は次のような形に書けることをお話しました」 (2.9) 「ここで、この(2.9)式と変換を比較すると、(2.9)式の右辺の第2項は次のようになりま…

複素スカラー場のラグランジアン

「もう1つのマイナーな例としては、次のようなラグランジアンを考えてみます」 (2.14) 「ここで、は、複素数値の場です。このラグランジアンの運動方程式をオイラー・ラグランジュ方程式から求めてみます」 オイラー・ラグランジュ方程式(場の方程式) (2.…

運動項のみのラグランジアンから生じる保存則

ネーターの定理(Noether's theorem) 系に連続的な対称性が存在するとき、それに対応する保存則が存在する 「ネーターの定理によって生じる保存則の一番簡単な例は、ラグランジアンが運動項のみを有する場合です」 「運動項って……なんだったかしら?」 一宮…

ネーターの定理とは

「このように、系に連続的な対称性が1つ存在するとき、それに対応する保存則が1つ存在します。これをネーターの定理(Noether's theorem)と呼びます」 ネーターの定理(Noether's theorem) 系に連続的な対称性が存在するとき、それに対応する保存則が存…

ネーターカレントとは

(2.12) 「上の結果は、の微分がゼロ、すなわち、ネーターカレント(電流)が保存されることを意味しています。また、2以上の場に対称性が存在する場合は、の第1項は、それぞれの場に対する同様の項の和の形に置き換えられます」「ネーターカレントって、な…

ネーターカレントの保存の式の導出

ラグランジアンの微小変換 「ここで、微分には、という関係があります。これは、の積の微分は、を固定してを微分した場合と、を固定してを微分した場合の和に等しいことを意味します」 の積の微分=を固定してを微分+を固定してを微分 「この微分の関係式に…

チェインルールとは

「次に、ラグランジアンの微小な変化を求めてみます。ラグランジアンは次のように、場の項と場の微分の項の2つからなることは、以前もお話しました」 「そのため、ラグランジアンの微小変化は、次のように書くことができます」 「なんでそんな風にかけるの…

ラグランジアンの不定性とは

「ところで、ガウスの発散定理の説明でもお話したように、表面項は、の形をしています。そこで、この項をと書き、微小量をとすると、ラグランジアンの微小変換量は、と書くことができます。これから、ラグランジアンの変換の式は次の(2.10)式のようになりま…

表面項とは

「下のような変換によっても運動方程式が不変に保たれるとき、このような変換を『対称性』と呼ぶことをお話しました」 式(2.9)の変換によっても運動方程式が不変に保たれる→このような変換を対称性と呼ぶ (2.9) 「ところで、運動方程式は、最小作用の原理に…

変換と対称性

「次は、古典場の対称性と保存則との間の関係についてお話します。これはネーターの定理(Norther's theorem)にまとめられます」 「ネーターの定理?」 「ネーターの定理は、次のような場における連続な変形に関するものです」 (2.9) 「ここで、は微小な量…

ハミルトニアンの物理的な意味

「次に、ハミルトニアンの物理的な意味について考えてみます。まず、(2.5)式のハミルトニアンに(2.6)式のラグランジアンを代入してみます」 (2.5) (2.6) 「次に、前回求めたの関係を使うと、ハミルトニアンは、次のように書くことができます」 (2.8) 「一般…

正準運動量密度の導出

「クライン−ゴルダン方程式は、量子力学的な波動方程式ではなく、古典的な波動の振る舞いをあらわすマクスウェル方程式と同様に『古典的』な場の方程式です。ところで以前、場に共役な正準運動量密度は、次のように定義されることをお話しました」 「一方、…