スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

クライン‐ゴルドン場とその運動量密度の時間に依存した表式

「次に、ハイゼンベルク演算子の望ましい式を導いてみましょう。ここで、時間に独立なSchrodinger描像の昇降演算子を表すため、記号を常に用いることにします。具体的な計算方法としては、(2.25)式の左右からそれぞれをかけて、(2.43)式の関係を用います」 (…

ハミルトニアンと生成・消滅演算子の関係式の導出

「上の関係を用いることによって、次の関係式を導くことができます」 (2.46) 「ちょっと! どうしてそんな関係式が成り立つのよ?」 一宮が理解できないといった風に、頭をかきむしった。 「上の計算には、少し飛躍があるかもしれませんね。でも、(2.46)式は…

ハミルトニアンと生成・消滅演算子との交換関係

「ところで、およびの時間依存性は、生成・消滅演算子の観点からより深く理解することができます。例えば、(2.32)式およびの関係から、ハミルトニアンと消滅演算子との間には、次の関係が成り立ちます」 (2.32) 「それゆえ、任意のnに対して、は次のようにな…

クライン‐ゴルドン方程式の導出

「以上の結果をまとめると、次のようになります」 「次に、の式の2階微分を行うことによって、これらの2つの式を組み合わせてみましょう」 「これから、次の(2.45)式を導くことができます」 (2.45) 「これはまさしく、クライン-ゴルドン方程式となっていま…

運動量密度の時間依存性

「クライン‐ゴルドン場の時間依存性と同様に、運動量密度 の時間依存性も、Heisenbergの運動方程式から同様に計算できます」 (2.44) 「ここで、上式の右辺の交換子の右側の第1項に着目すると、の形を持ちますが、交換子の公式および(2.20)式から、次のよう…

クライン‐ゴルドン場の時間依存性

(2.44) 「Heisenbergの運動方程式に(2.8)式のハミルトニアンHを代入すると、およびの時間依存性を計算することができます」 (2.8) 「ここで、上式の右辺の交換子の右側の第3項に着目すると、の形を持ちますが、交換子の公式および(2.20)式から、次のように0…

Heisenbergの運動方程式

2.4 時空内のクライン-ゴルドン場「前の節では、Schrodinger描像のクライン-ゴルドン場を量子化し、結果として生じた理論を相対論的粒子の観点から解釈しました。この節では、Heisenberg描像に切り換えて考えることにします」 「どうしてHeisenberg描像で考…

状態pの一粒子波動関数の位置空間表示

(2.41) 「非相対論的な場合と同様の解釈を突き進めると、演算子が真空に作用すると、位置xに粒子が生成されるものとみなすこともできます」 真空に演算子が作用する → 位置xに粒子が生成される 「この解釈はさらに、(2.35)式を用いて、以下の計算をすること…

位置xの固有状態の相対論的な表式

(2.40) 「(2.40)式の積分は、f(p)がローレンツ不変なら、もローレンツ不変になるという意味において、ローレンツ不変の3元運動量の積分です。この積分は、図2.2に示されるように、4元運動量空間における双曲面の分枝上にあるものと考えられます」 図2.2 ロ…

ローレンツ不変3元運動量積分公式の導出

「以上述べたローレンツ不変規格化においては、他の場所においてで割る必要があります。例えば、1粒子状態の完備関係式は、次のようになります」 (2.39) 「(2.39)式において、左辺の演算子は、1粒子状態の部分空間内の恒等演算子であり、ヒルベルト空間の…

ローレンツ変換のユニタリ演算子による表現

「前回お話したように、ローレンツ変換は、量子状態のヒルベルト空間において、ユニタリ演算子として実行されます」 (2.35) 「また、規格化条件(2.35)式には、次のような意味があります」 (2.37) 「上式は、状態に、ユニタリ演算子を作用させた結果、ローレ…

ローレンツ不変規格化とは

「ローレンツブーストのもとでは、一般に、体積が不変ではありません。例えば、静止座標において、体積Vの箱をローレンツブーストすると、ブーストされた座標では、ローレンツ収縮によって、箱の体積は ()になることが知られています」 体積Vの箱 ↓ ローレ…

ヒルベルト空間とユニタリ演算子

「ところで、ローレンツ変換は、量子状態のヒルベルト空間において、ユニタリ演算子として実行されます」「ヒルベルト空間?」 一宮が首を傾げた。 「私たちの住む現実世界の空間は、3次元ユークリッド空間(Euclidean space)であると考えられています。こ…

デルタ関数のローレンツブースト

「ここで、ある慣性系Aから見て、別の慣性系Bが方向に-Vの速さで進む場合を想定します。このとき、 とすると、ローレンツブーストにより、運動量とエネルギーは、次のように変換されることが一般的に知られています」 「ここで、デルタ関数のローレンツブー…