スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

クライン‐ゴルドン粒子のエネルギー・運動量テンソル

問題2.1b「次に、問題2.1bを解いてみます。問題2.1bは、クライン‐ゴルドン理論のためのエネルギー・運動量テンソルを構築しろとのことです。そこで、以前導いたエネルギー・運動量テンソルの式を見てみましょう」 (2.17) 「ここで、オイラー・ラグランジュ方…

レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルとは

「次に、とした場合の上の運動方程式の具体的な形を見てみます」 「ここで、およびとすると、上の運動方程式は次のようになります」 「って何よ?」 「は、レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルと呼ばれ、次のように定義されます」 「がの順の組み合わせから…

オイラー・ラグランジュ方程式からガウスの法則の導出

「次に、とした場合の上の運動方程式の具体的な形を見てみましょう」 「から、であり、また、から、上の運動方程式は次のようになります」 「これは、電荷密度がないときのガウスの法則に他なりません」 電荷密度がないときのガウスの法則:

オイラー・ラグランジュ方程式からマクスウェル方程式の導出4

「ここで、から、添字を入れ替えたとき」 「となって、は、添字の入れ替えに対して反対称となることが分かります。この関係を用いると、オイラー・ラグランジュ方程式の左辺第1項は次のようになります」 「以上をまとめると、オイラー・ラグランジュ方程式…

オイラー・ラグランジュ方程式からマクスウェル方程式の導出3

「次に、上式の括弧内の微分を計算してみましょう」 「ここで、はクロネッカーのデルタであり、のとき1、のとき0となる関数です。つまり、上式は、微分の分母と分子の添字が全て一致している場合にのみ、値が残るということになります」 クロネッカーのデル…

オイラー・ラグランジュ方程式からマクスウェル方程式の導出2

「次に、上式第2行目の第1項目の被微分関数が上付きの添字となっていることから、この微分計算ができるように、計量テンソルをつかって添字を上付きから下付きに変えたいと思います」 ルール:上下に同じ添字が現れたとき、これらの添字が打ち消しあって消…

テンソルの添字を上げ下げする方法

「次に、上式の左辺第1項を計算してみましょう」 「上のラグランジアン密度を上式の左辺第1項の大括弧()内に代入してみます」 「上の計算において、1行目から2行目の変形に積の微分法則を用いました。また、上式第2行目の第1項目の被微分関数が上付…

オイラー・ラグランジュ方程式からマクスウェル方程式の導出1

「上のラグランジアン密度を場の運動を表すオイラー・ラグランジュ方程式に代入することで、運動方程式を導くことができます」 オイラー・ラグランジュ方程式(場の方程式) (2.3) 「ただし、ここでは場の代わりに、要素を力学変数として扱います」 「ここで…

古典的な電磁気のラグラジアン密度

問題2.1「次に、テキストの演習問題を解いてみましょう。(源のない)古典的電磁気学は、以下の作用から導かれます」 「問題aとして、この作用のオイラー・ラグランジュ方程式としてマクスウェル方程式を導いてみましょう。ここで、ラグランジアン密度の作用…

クライン‐ゴルドン場の生成粒子数

(2.65) 「上の結果は、がモードの粒子を生成する確率密度と考えることによって、粒子の観点から解釈することができます」 :モードの粒子を生成する確率密度 「どうして確率密度にエネルギーが入っているのよ?」 一宮が訊ねる。 「これは、ローレンツ不変性…

ソースフィールドが作用した後のハミルトニアン

(2.64) 「ここで、が作用した後のハミルトニアンの形式を推測(または計算)することができます。ハミルトニアンは生成・消滅演算子で、次の(2.31)式のように表せることは以前お話しました」 (2.31) 「ここで、自然単位系ではからであり、また、第2項の零点…

遅延グリーン関数を用いた運動方程式の解の変形

(2.63) 「上式において、場の全てが過去にいくまで十分に待ったとき、階段関数は1になるため、を代入します。また、のフーリエ変換の式」 「を用いて、(2.63)式を変形してみます」 「ここで、は、のエルミート共役(Hermitian conjugate)をとったものです」…

4次元運動量と質量の関係式

(2.63) 「次に、のすべてが十分過去になるまで待ったとします。このとき、関数は、積分の全区間において1に等しくなるため、は、のフーリエ変換のみに関係します」 「上式は、となる4元運動量で評価されます」 「どうして、となるのよ? 運動量と質量が同じ…

遅延グリーン関数を用いた運動方程式の解2

「ちょっと待って!」 突然、一宮が待ったをかけた。 「そもそもどうして、(2.63)式の第1行目の式が成り立つのよ?」 (2.63) 「(2.63)式の第1行目ですが」と越野さんは言った。 「これは、(2.63)式の両辺に左側からを作用させることによって確認することが…

遅延グリーン関数を用いた運動方程式の解

「源である場がある場合、運動方程式の解は、遅延グリーン関数を用いて構成することができます」 (2.63) 「(2.63)式の第1行目から第2行目への変形は、(2.55)式と(2.54)式を代入することで簡単に導くことができます」 (2.55) (2.54)

古典的な源による粒子生成

「次に、外部の古典的な源である場と結合したクライン‐ゴルドン場を考えてみます。すなわち、次の(2.61)式のような場の方程式を考えてみましょう」 (2.61) 「ここで、は、有限の時間間隔でのみゼロとならない時空間の既知の関数とします。(2.61)式の場の方程…

クライン‐ゴルドン粒子のファインマンプロパゲーターとは

「(2.59)式と(2.60)式は、実用的な観点から、この章の最も重要な結果と考えることもできます」 (2.59) (2.60) 「は、伝播振幅を有することから、クライン‐ゴルドン粒子のファインマンプロパゲーター(伝播関数)と呼ばれます」 :クライン‐ゴルドン粒子のフ…

時間順序積とは

「次に、(2.60)式について考察してみます」 (2.60) 「(2.60)式の最後の行は、第2行目の2項を1項にまとめたもので、Tは、『時間順序(time-ordering)積』のTを表しています。このTは、左側の項が最も新しい時間になるように演算子を配置することを表しま…