なぜ波動関数の振幅の2乗が粒子の存在確率となるのか?
「ところで、散乱振幅はであらわされますが、散乱確率は、この散乱振幅を2乗したものに比例することが知られています」
散乱振幅:
↓2乗する
散乱確率
「どうして、散乱振幅を2乗したものが散乱確率になるのよ?」
「量子論において、電子や陽子などの素粒子の本質は、粒子のような粒々の塊ではなく、電場や磁場のような、空間の場の変動によって生じた波のようなものであると考えられています」
電子や陽子などの素粒子の本質的なイメージ
×粒子のような粒々の塊
○電場や磁場のような空間の場の変動によって生じた波
「例えば、電磁波は、電場と磁場が連鎖的に変動することによって生じる波ですが、電場の大きさ(振幅)をとしたとき、電場のエネルギー密度は、電場強度の2乗に比例することが知られています]
電場のエネルギー密度
「そして、電場の場合と同様に、電子場の密度もまた、電子の波の振幅の2乗に比例するものと考えられます」
電子場の密度
「場って、なんかイメージしにくい概念ね」
「場は、空間中に広がった雲のようなイメージで考えると理解しやすいです」
「上の図に示すように、電子場を雲と考えたとき、電子は、雲が凝縮してできた雨粒のようなものと考えることができます。雲の密度が高い場所ほど、そこに雨粒を見出す確率が高くなるように、電子場の密度が高い場所ほど、そこに電子を見出す確率が高くなるというわけです」
「要するに、電子が発見される確率は、電子場の密度に比例していて、電子場の密度が電子の波の振幅の2乗に比例しているから、電子が発見される確率も、電子の波の振幅の2乗に比例しているというわけね」
電子が発見される確率電子場の密度
電子場の密度電子の波の振幅の2乗
↓
電子が発見される確率電子の波の振幅の2乗