スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

調和振動子とは

「古典的なクライン−ゴルドン場の方程式は、次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\bigg[\frac{\partial^2}{\partial t^2}-(\mid{\bf{p}}\mid^2+m^2)\bigg]\phi({\bf{p}}, t)=0.
\end{eqnarray}
}
(2.21)

「この式は、周波数 \omega_{\bf{p}}調和振動子(バネ)の方程式と同じものです」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\omega_{\bf{p}}=\sqrt{\mid{\bf{p}}\mid^2}+m^2.
\end{eqnarray}
}
(2.22)

調和振動子って何よ?」
 一宮が訊ねた。
「振動子(oscillator)というのは、おもりのついたバネのように『振動するもの』をいいます。また、調和(または単調和)(simple harmonic)とは、あらゆる振動のうちで一番簡単な振動、すなわち、 A\sin{(\omega t+\delta)}, Ae^{i(\omega t+\delta)}の関数で表されるような振動をいいます」
「一番簡単な振動?」
 一宮は首をかしげる。
「例えば、時計の針を思い浮かべてください。時計の針はくるくる回転しますが、時計の針に厚みがあるものとして、側面方向から時計の針に光を当てたとき、時計の針の影は、上下します。この時計の針の影の上下の動きを時間とともにプロットしていくと、もっとも簡単な振動である単振動が現れます」

単振動をつくる方法(右側の振動が単振動)
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「このような振動をするものを『調和振動子(simple harmonic oscillator)と呼ぶのです」