ローレンツ変換のユニタリ演算子による表現
「前回お話したように、ローレンツ変換は、量子状態のヒルベルト空間において、ユニタリ演算子
として実行されます」
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(2.35)
「また、規格化条件(2.35)式には、次のような意味があります」
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(2.37)
「上式は、状態に、ユニタリ演算子
を作用させた結果、ローレンツ変換された状態
に変換されることを表します。また、ローレンツ変換を生成演算子
に作用させるものと考えるのを好む場合は、次のように書くこともできます」
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(2.38)
「ちょっと待って! どうして、と
でサンドイッチされるのよ?」
「例えば、演算子の固有状態を
として、左からユニタリ演算子
を作用させた場合を考えてみます。このとき、次のように式を変換することができます」
「ここで、としました。このとき、
の固有値を
とすると、上式から
であり、ユニタリ変換された状態
は、
の固有ベクトルであり、その固有値
は
の固有値と同じであることがわかります。それゆえ、演算子
のユニタリ変換は、
の形で書くことができるのです」