運動量密度の時間依存性
「クライン‐ゴルドン場の時間依存性と同様に、運動量密度 の時間依存性も、Heisenbergの運動方程式から同様に計算できます」
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(2.44)
「ここで、上式の右辺の交換子の右側の第1項に着目すると、の形を持ちますが、交換子の公式
および(2.20)式から、次のように0となります」
(2.20)
「したがって、運動量密度 の時間依存性は次のようになります」
ここで、越野さんは、落ち着きがないようにそわそわした。
「実は、上の計算において、どうしても計算が合わないところがあります」
「計算が合わないところ?」
「下の式の第2行から第3行への変形で符号がどうしても合いません」
「実際、上式の第2行目の交換子の右側の第2項は、(2.27)式から次のように変形することができます」
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(2.27)
「このように、の符号がプラスになってしまうので、テキストの計算とどうしても合わないのです」
一宮がここぞとばかりに瞳を輝かせながら食いついた。
「プラスとマイナスの区別もつかないの? このテキストの著者って、上から目線で偉そうにしている割には、結構いいかげんね!」