遅延グリーン関数を用いた運動方程式の解2
「ちょっと待って!」
突然、一宮が待ったをかけた。
「そもそもどうして、(2.63)式の第1行目の式が成り立つのよ?」
(2.63)
「(2.63)式の第1行目ですが」と越野さんは言った。
「これは、(2.63)式の両辺に左側からを作用させることによって確認することができます」
(2.63)式の両辺に左側からを作用させる
「ここで、初期値においては、源である場がゼロなので、(2.61)式から初期の場が満たす式を導くことができます」
(2.61)
(2.61)式において、をゼロとした場合
「また、については、以前導いた(2.56)式の関係が成り立ちます」
(2.56)
「これらの関係を上のの式に代入すると、次のようになります」
「第3行目のの積分において、関数がの場合のみ1となり、それ以外()ではゼロになるという性質を用いました。これは(2.61)式の関係そのものであり、このことから、(2.63)式の第1行目の関係が成り立つことが分かります」
(2.61)