スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

クライン‐ゴルドン場の生成粒子数


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\langle0\mid\mathcal{H}\mid0\rangle&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2}\mid\tilde{j}(p)\mid^2,
\end{eqnarray}
}
(2.65)

「上の結果は、\mid\tilde{j}(p)\mid^2/2E_{\bf{p}}がモードpの粒子を生成する確率密度と考えることによって、粒子の観点から解釈することができます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\frac{\mid\tilde{j}(p)\mid^2}{2E_{\bf{p}}}
\end{eqnarray}
} :モードpの粒子を生成する確率密度

「どうして確率密度にエネルギーE_{\bf{p}}が入っているのよ?」
 一宮が訊ねる。
「これは、ローレンツ不変性を満たすためです。相対論的な効果を考慮すると、確率密度の分母にエネルギーE_{\bf{p}}が入ってくるのです。このとき、生成される全粒子数は、次の(2.66)式のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\int dN&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{2E_{\bf{p}}}\mid\tilde{j}(p)\mid^2.
\end{eqnarray}
}
(2.66)

「(2.66)式は、オンマスシェル(on-mass-shell)(すなわち、 p^2=m^2が成り立つとき)のクライン‐ゴルドン波に共鳴する源の場j(x)フーリエ成分のみが粒子の生成に効果的だということを表しています」

 p^2=m^2のクライン‐ゴルドン波に共鳴する源の場j(x)フーリエ成分が粒子の生成に寄与する

「なお、テキストでは、問題4.1でこの問題について振り返り、また、第6章で加速電子によって生成された光子の類似の問題(制動放射)について研究するとのことです」