スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クライン-ゴルドン場とその運動量密度の生成・消滅演算子による表現

「これまで説明したのと同じテクニックを用いて、クライン-ゴルドンハミルトニアンのスペクトルを導くことができますが、ここでは、場の各フーリエモードは、それ自体、生成演算子と消滅演算子をもった独立な振動子として扱います。ここで、(2.23)式との類似…

n粒子状態のエネルギー

「次に、交換子を計算してみます」 「ここで、最後の式において、(2.24)式の関係を用いました」 (2.24) 「また、交換子についても同様に計算します」 「以上の計算から、次の関係が得られました」 「ここで、n粒子状態を考えてみます。これは、真空状態にn回…

零点エネルギーとは

「正準交換関係は、(2.20)の関係からとなることがわかります」 (2.20) 「一方、の関係を使って、正準交換関係を計算してみます」 「これから、となって、次の(2.24)式の関係が得られます」 (2.24) 「次に、式(2.23)を代入してハミルトニアンを計算してみます…

昇降演算子とは

「単振動のハミルトニアン(エネルギーに相当)は、次のようになることが知られています」 「『SHO』って何よ?」 「『SHO』は、『Simple Harmonic Oscillator(調和振動子)』の略です。ここで、ハミルトニアンの固有値を見つけるため、場と運動量を次のよ…

調和振動子とは

「古典的なクライン−ゴルドン場の方程式は、次のようになります」 (2.21) 「この式は、周波数の調和振動子(バネ)の方程式と同じものです」 (2.22) 「調和振動子って何よ?」 一宮が訊ねた。 「振動子(oscillator)というのは、おもりのついたバネのように…

古典的なクライン−ゴルドン場の方程式の導出

クライン−ゴルドン方程式 (2.7) 「ここで、(2.7)式に前回導いた古典的なクライン−ゴルドン場の式を代入します」 「すると、(2.7)式のクライン−ゴルドン方程式は次のようになります」 (2.21) 「これは、古典的なクライン−ゴルドン場の方程式です」 「ちょっと…

複素数が実数となるための必要十分条件

「古典的なクライン−ゴルドン場は、次のようにフーリエ級数で表すことができることを前回お話しました」 「ここで、が実数となるように、ととることにします」 「なんでだと、が実数となるのよ?」 一宮が訊ねる。 「a, bを実数とすると、複素数zは、z=a+ib…

スペクトルとは

「次の課題は、ハミルトニアンからスペクトルを見出すことです」 「スペクトルって何よ?」 「スペクトルというのは、振動や波動現象において、ある物理量の時間的・空間的な変動を、sin関数などの基本的な振動成分に分解したとき、その各成分の強さをいいま…

Heisenberg描像とは

「一方、期待値は、時間tに依存しない状態ベクトルと、時間tに依存する演算子を用いて表わすこともできます」 「このように、系の状態を固定して、物理量を表す演算子が時間とともに変化するという運動の記述法をHeisenberg描像(Heisenberg picture)と呼び…

Schrodinger描像とは

(2.20) 「ここで、当面の間は、場と運動量密度が時間に依存するSchrodinger描像に従うものとします。次の節では、Heisenberg描像に切り替えたとき、両方の演算子が同時刻という条件で、これら『同時刻』交換関係が成り立ちます。また、場と運動量密度の関数…

自由度とは

「前回、正準交換関係は下のようになることを以前お話しました。ここでは、自然単位系を用いているので、プランク定数となっていることに注意してください」 「この式では、クロネッカーのデルタが用いられていますが、これはが同一(の場合)にのみとなって…

正準交換関係とは

「このテキストでは、(が古典場である)古典的な方程式から始め、一度の手続でそれを量子化します。ここで、古典的なクライン−ゴルドン方程式を量子化するため、場と運動量密度を演算子として取り扱い、適切な交換関係を課します。1以上の粒子の離散的な系…

第2量子化とは

「実クライン−ゴルドン場の古典論については、前節で簡単に(テキストによれば、あれで十分だそうですが)説明しました。関連する式は、(2.6), (2.7)および(2.8)です」 (2.6) クライン−ゴルドン方程式 (2.7) (2.8) 「ここで、古典的なクライン−ゴルドン方程…

量子化とは

「2.3節では、最も簡単な場である実クライン−ゴルドン場のかなり形式的な扱いで量子場の理論の説明を始めたいと思います。考え方としては、古典場の理論(ラグランジアン(2.6)に支配される古典的なスカラー場の理論)で始めて、次にそれを『量子化』して、力…

次元解析とは

「次元解析?」 武者さんは頷いた。 「1つの物理量は、長さ・時間・質量といった基本的な物理量の単位を組み合わせて表現することができる。例えば、質量M、長さL、時間Tとすれば、エネルギーの次元は、と表される。一方、運動量の次元は、と表され、エネル…

エネルギー・運動量テンソルからクライン−ゴルドン場のハミルトニアンの導出

「エネルギー・運動量テンソルのうち、時間変換に関係した保存チャージは、ハミルトニアンとなります」 (2.18) 「また、エネルギー・運動量テンソルは、(2.17)式のように書けます」 (2.17) 「(2.17)式にを代入すると、(2.18)式が次のようになることは、以前…

エネルギー運動量成分の0i成分

「次は、について考えてみます」 (2.17) 「と同じように、上の(2.17)式にを代入して、を計算してみます」 「前回と同様に、4元ベクトルの微分演算子を次のように定義します」 「ここで、大括弧内の各成分はそれぞれ、の成分を表します。これから、となるこ…