スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

SU(2)とは

「次に、2行2列のユニタリ行列で行列式が1であるものの全体のなす群を2次元特殊ユニタリ群といい、SU(2)と書きます」 2次元特殊ユニタリ群(SU(2))の条件 (1) 2行2列のユニタリ行列 (2) 行列式が1 「ここで、SU(2)のSは、Special(特殊)の略、Uは、Unitary…

ユニタリ変換とユニタリ行列の関係

「ところで、ユニタリ変換は、ヒルベルト空間において定義されますが、特に、ヒルベルト空間が、複素数列のベクトルで、をの複素共役として、その自乗の総和」 「からなる集合の場合、ユニタリ変換は、ユニタリ行列で表され、次のように書くことが出来ます」…

ユニタリ変換とは

「ところで、上の保存電荷(ネーター・チャージ)の式は、(は実数)として、位相変換に対して不変となることがわかります。ここで、は、一次元のユニタリ変換と見なすことができます」 「ユニタリ変換ってなによ?」 一宮が首を傾げた。 「ユニタリ変換は、…

複素スカラー場の保存電荷3

「複素スカラー場のネーター・カレントの式から、保存電荷であるネーター・チャージ(電荷)の式を導くことができます」 (2.13) 「ネーター・チャージQは、上の(2.13)式のように、ネーター・カレントの式の第0成分(時間成分)を全空間で積分した式となりま…

複素スカラー場の保存電荷2

「このラグランジアンは、を任意定数として、位相変換に対して不変となることがわかります。それゆえ、ネーターの定理から保存電流(ネーター・カレント)が存在することが分かります。そこで、(2.12)式に基づき、上のラグランジアンからネーター・カレント…

複素スカラー場の保存電荷1

「それでは次に、問題2.2dを解いてみます」 問題2.2d:同一の質量を有する2つの複素クライン‐ゴルドン場の場合を考えよ。場をとしなさい。いま、4つの保存電荷があり、1つは問題(c)の一般化によって与えられ、残りの3つは、次の式によって与えられること…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場の保存電荷3

「次に、デルタ関数についても同様に、のときのみ値が残ることから、この関係を上式に代入すると、次のようになります」 「ここで、交換関係から、となり、これを上式に代入すると、次のようになります」 「最後の項は、定数、すなわち古典的なc数であり、ハ…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場の保存電荷2

「ここで、ハミルトニアンの計算と同様に、デルタ関数のフーリエ積分表示の関係を使います」 デルタ関数のフーリエ積分表示 「すると、上式は次のようになります」 「ここで、デルタ関数について、のときのみ値が残りますが、このときとなります」 「どうし…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場の保存電荷1

「それでは、次に問題2.2cを解いてみましょう」 問題2.2c:保存電荷 を生成・消滅演算子の観点で書き直し、それぞれの種類の粒子の電荷を評価せよ。 「まず、上の保存電荷の式を生成・消滅演算子の観点で記述するために、上式に複素スカラー場およびその運動…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場のハミルトニアン4

「次に、交換関係から、となり、これを上式に代入すると、次のようになります」 「最後の項は、定数、すなわち古典的なc数であり、これは真空の零点エネルギーに相当します。そこで、この定数項を無視すると、ハミルトニアンは結局、次のようになることがわ…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場のハミルトニアン3

「ここで、は、のときにとなり、それ以外の値ではとなるというデルタ関数の性質から、上式の第3行目は、からの値のみが残ることがわかります。これから、の値を代入すると、第3行目のエネルギーの項は、となります」 デルタ関数の性質 「一方、アインシュタ…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場のハミルトニアン2

「複素スカラー場のハミルトニアンを生成・消滅演算子で表すと、下のようになります」 「ここで、デルタ関数のフーリエ積分表示の関係を使います」 デルタ関数のフーリエ積分表示 「すると、上式は次のようになります」 「ここで、デルタ関数は原点に対して…

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場のハミルトニアン1

「次に、ハミルトニアンを生成・消滅演算子に置き換えて計算してみます」

複素スカラー場の正準交換関係の計算2

「次に、被積分関数の括弧[ ]の中の計算をしてみましょう」 「ここで、(2.29)式と同様に、生成・消滅演算子の交換関係および生成・消滅演算子の交換関係が次のようになるものと定義します」 (2.29) 「一方、生成演算子同士の交換関係および消滅演算子同士の…

複素スカラー場の正準交換関係の計算1

「ここで、の正準交換関係に上式を代入し、の関係を用いると、次のようになります」 「次に、上式の括弧[ ]内を計算していきます」

複素スカラー場の共役運動量密度

「次は、問題2.2bです」 問題2.2b: 生成・消滅演算子を導入することによって、ハミルトニアンを対角化せよ。また、この理論が質量の2組の粒子を含むことを示せ。 「以前、クライン-ゴルドン場をフーリエ展開して、生成演算子と消滅演算子で表しました」 (2…

複素スカラー場のハミルトニアン

「次に、ハミルトニアンは、下の(2.5)式を用いて導くことができます」 (2.5) 「具体的には、(2.5)式の運動量に相当するのが共役運動量密度であるため、これを代入します」 「上の式に、前回導いたラグランジアンを代入します」 「ここで、の関係に注意すると…

複素スカラー場の共役運動量密度と正準交換関係

「次に、上のラグランジアンから場の共役運動量密度を導いてみましょう。一般に、共役運動量密度は次のように書くことができます」 「また、上のラグランジアンを、とに分けて考えると、次のようになります」 「それゆえ、上のラグランジアンの第1項をで微…

複素スカラー場の作用とラグランジアン

問題2.2 「問題2.1を解いたので、次は問題2.2を解きましょう。問題2.2では、クライン‐ゴルドン場に従う複素数値のスカラー場の場の理論について考えてみます。この理論の作用は、次のようになります」 「基本的な力学変数として、場の実数部分と虚数部分を考…

エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気の運動量密度の式の導出

「次に、運動量密度の関係式を求めてみましょう。場によって運ばれる(物理的な)運動量は、次の(2.19)式のように表せることは以前お話しました」 (2.19) 「そこで、エネルギー・運動量テンソルにおいて、添字とした場合の計算をしてみましょう」 「上の1行…

テンソルの添字の上げ下げと符号の関係

「でも、なんでの上付き添字を下付き添字にすると、のように符号がマイナスからプラスに反転するのよ?」 一宮が訊ねた。 「通常、の上付き添字を下付き添字にするには、計量テンソルをかける必要がありますが、ミンコフスキー空間の計量テンソルの場合、添…

エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気エネルギーの式の導出3

「次に、レヴィ=チヴィタ記号の積には、次のような性質があることが知られています」 「この性質を用いると、最初の式は次のようになります」 「それゆえ、ラグランジアン密度は、次のようになります」 「このラグランジアン密度をエネルギー・運動量テンソ…

エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気エネルギーの式の導出2

「ところで、ラグランジアン密度は、次のように表せたことを思い出してください」 「そこで、の添字をおよびに展開してみます」 「次に、添字をおよびに展開します」 「上式2行目から3行目への変形において、からの関係を用いました。また、の関係を用いた…

エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気エネルギーの式の導出

「最後に、エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気エネルギーの標準式を導いてみます」 「ここで、エネルギー・運動量テンソルのうち、時間変換に関係した保存チャージは、ハミルトニアン、すなわちエネルギーとなることを思い出してください」 (2.18) 「…

エネルギー・運動量テンソルを対称的にする方法3

「上のエネルギー・運動量テンソルの式において、添字を入れ替えた式が対称的となっているか調べてみましょう」 「ここで、およびの関係を用いました。次に、各項の添字を上げ下げします。それには、各項に計量テンソルをかけます」 「ちょっと、勝手に計量…

エネルギー・運動量テンソルを対称的にする方法2

「次に、上のようにエネルギー・運動量テンソルにを加えて定義しなおしたは、としたとき、対称的なエネルギー・運動量テンソルTを生じ、電磁気のエネルギーおよび運動量密度の標準形式を生じることを示したいと思います」 「ここで、第2項は添字に対して明…

エネルギー・運動量テンソルを対称的にする方法

「次に、計量テンソルを用いて、エネルギー・運動量テンソルの添字を上付きにします」 「ここで問題なのは、通常の手続きでは、対称テンソルを導くことができないという点です。実際、上のエネルギー・運動量テンソルは、添字の入れ替えに対して対称的ではあ…

クライン‐ゴルドン粒子のエネルギー・運動量テンソル

問題2.1b「次に、問題2.1bを解いてみます。問題2.1bは、クライン‐ゴルドン理論のためのエネルギー・運動量テンソルを構築しろとのことです。そこで、以前導いたエネルギー・運動量テンソルの式を見てみましょう」 (2.17) 「ここで、オイラー・ラグランジュ方…

レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルとは

「次に、とした場合の上の運動方程式の具体的な形を見てみます」 「ここで、およびとすると、上の運動方程式は次のようになります」 「って何よ?」 「は、レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルと呼ばれ、次のように定義されます」 「がの順の組み合わせから…

オイラー・ラグランジュ方程式からガウスの法則の導出

「次に、とした場合の上の運動方程式の具体的な形を見てみましょう」 「から、であり、また、から、上の運動方程式は次のようになります」 「これは、電荷密度がないときのガウスの法則に他なりません」 電荷密度がないときのガウスの法則: