複素スカラー場の保存電荷2
「このラグランジアンは、を任意定数として、位相変換
に対して不変となることがわかります。それゆえ、ネーターの定理から保存電流(ネーター・カレント)が存在することが分かります。そこで、(2.12)式に基づき、上のラグランジアンからネーター・カレントを導いてみます」
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(2.12)
「ここで、変換は、2種類の場
の変動によるものなので、(2.12)式において、2種類の場
からの寄与のみを考慮します」
「次に、を求めるため、位相変換
の位相
が微小量(
)だけ変化したときを想定して、一次の項までテーラー展開してみます」
「また、このときのの変化量を
として、上式と比較すると、
となることが分かります。」
「同様に、変換を一次の項までテーラー展開すると、
が導けます。したがって、複素スカラー場のネーター・カレントの式は、次のようになることがわかります」