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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

運動量の観点から見た生成・消滅演算子の交換関係

「次に、 [a_{\bf{p}}, a_{\bf{p}'}^\dagger]の交換関係が次のようになるものと定義します」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
[a_{\bf{p}}, a_{\bf{p}'}^\dagger]&=&2\pi^3\delta^{(3)}({\bf{p}}-{\bf{p}'}).
\end{eqnarray}
}
(2.29)

「すると、交換関係[\phi({\bf{x}}), \pi({\bf{x}'})]の右辺の角括弧([ ])内は次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
[\phi({\bf{x}}), \pi({\bf{x}'})]&=&\int\frac{d^3pd^3p'}{(2\pi)^6}\frac{-i}{2}\sqrt{\frac{\omega_{\bf{p}'}}{\omega_{\bf{p}}}}
\big([a_{-\bf{p}}^{\dagger}, a_{\bf{p}'}]-[a_{\bf{p}}, a_{-\bf{p}'}^{\dagger}]
\big)e^{i{(\bf{p}\cdot\bf{x}+\bf{p'}\cdot\bf{x}')}}
\end{eqnarray}
}


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
&&[a_{-\bf{p}}^{\dagger}, a_{\bf{p}'}]-[a_{\bf{p}}, a_{-\bf{p}'}^{\dagger}]\\
&=&-[a_{\bf{p}'}, a_{-\bf{p}}^{\dagger}]-[a_{\bf{p}}, a_{-\bf{p}'}^{\dagger}]\\
&=&(2\pi^3)\{-\delta^{(3)}({\bf{p}'}+{\bf{p}})-\delta^{(3)}({\bf{p}}+{\bf{p}'})\}\\
&=&-2(2\pi^3)\delta^{(3)}({\bf{p}}+{\bf{p}'})
\end{eqnarray}
}

「このとき、交換関係[\phi({\bf{x}}), \pi({\bf{x}})]は、次のように書くことができます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
[\phi({\bf{x}}), \pi({\bf{x}'})]&=&i\int\frac{d^3pd^3p'}{(2\pi)^3}\sqrt{\frac{\omega_{\bf{p}'}}{\omega_{\bf{p}}}}
\delta^{(3)}({\bf{p}}+{\bf{p}'})e^{i{(\bf{p}\cdot\bf{x}+\bf{p'}\cdot\bf{x}')}}\\
&=&i\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}e^{i{\bf{p}(\bf{x}-\bf{x}')}}\\
&=&i\delta^{(3)}({\bf{x}}-{\bf{x}'}).
\end{eqnarray}
}

「1行目から2行目で、どうしてp'が無くなっているのよ?」
 一宮が口を差し挟む。
デルタ関数 \delta^{(3)}({\bf{p}}+{\bf{p}'})は、 {\bf{p}}+{\bf{p}'}=0のときだけ1になり、 {\bf{p}}+{\bf{p}'}\neq0のときは0になるため、 {\bf{p}}+{\bf{p}'}=0、すなわち {\bf{p}}'=-{\bf{p}}の場合のみ値が残るからです」
「それじゃ、 \omegaの項が無くなるのはどうして?」
「振動数 \omega_{\bf{p}} {\bf{p}}の向きによらず、その大きさだけで決まることから、 \omega_{\bf{p}'}=\omega_{-\bf{p}}の関係が成り立つことを用いたからです。また、最後の式変形は、デルタ関数 \delta^{(3)}({\bf{x}})フーリエ変換の関係そのものを表します。それゆえ、 [a_{\bf{p}}, a_{\bf{p}'}^\dagger]の交換関係を(2.29)式のように定義することによって、交換関係[\phi({\bf{x}}), \pi({\bf{x}})]を正しく規定することができることがわかります」