運動量の観点から見た生成・消滅演算子の交換関係
「次に、の交換関係が次のようになるものと定義します」
(2.29)
「すると、交換関係の右辺の角括弧([ ])内は次のようになります」
「このとき、交換関係は、次のように書くことができます」
「1行目から2行目で、どうしてが無くなっているのよ?」
一宮が口を差し挟む。
「デルタ関数は、のときだけ1になり、のときは0になるため、、すなわちの場合のみ値が残るからです」
「それじゃ、の項が無くなるのはどうして?」
「振動数はの向きによらず、その大きさだけで決まることから、の関係が成り立つことを用いたからです。また、最後の式変形は、デルタ関数のフーリエ変換の関係そのものを表します。それゆえ、の交換関係を(2.29)式のように定義することによって、交換関係を正しく規定することができることがわかります」