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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

ガンマ行列とは

f:id:Dreistein:20141122042845p:plain

「ところで、この -ie\bf{\gamma}^{\bf{\mu}} \bf{\gamma}^{\bf{\mu}}って何よ?」
 \bf{\gamma}^{\bf{\mu}}は、4つ1組の4×4の行列で、ガンマ行列と呼ばれる」
「ガンマ行列?」
「ガンマ行列 \bf{\gamma}^{\bf{\mu}}は、ディラック・パウリ行列 \alpha_i, \betaを用いて次のように定義される」

 \gamma^\mu=(\gamma^0, \gamma_i) ただし、\gamma^0=\beta, \gamma_i=\beta\alpha_i

ディラック・パウリの行列 \alpha_i, \betaは、次のような4×4の行列であり、相対論的な波動方程式であるディラック方程式の係数として知られる」


{ \displaystyle
\alpha_i=
\begin{pmatrix}
\bf{0} & \sigma_i \\
\sigma_i & \bf{0}
\end{pmatrix}
\quad
\beta=
\begin{pmatrix}
\bf{1} & \bf{0} \\
\bf{0} & \bf{-1}
\end{pmatrix}
} 

「ここで、 \alpha, \beta行列の \bf{0}, \bf{1}は、それぞれ2×2の0行列と単位行列をあらわす」


{ \displaystyle
{\bf{0}}=
\begin{pmatrix}
0 & 0 \\
0 & 0
\end{pmatrix}
\quad
{\bf{1}}=
\begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{pmatrix}
} 

「また、 \sigma_iは、以下のような2×2のパウリ行列をあらわす」


{ \displaystyle
\sigma_1=
\begin{pmatrix}
0 & 1 \\
1 & 0
\end{pmatrix}
\quad
\sigma_2=
\begin{pmatrix}
0 & -i \\
i & 0
\end{pmatrix}
\quad
\sigma_3=
\begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{pmatrix}
} 

「パウリ行列 \sigma_iは、スピンと関係している。実際、スピン \frac{1}{2}のスピン演算子 \hat{\bf{s}}は、次のようにパウリ行列を用いてかくことができる」


{ \displaystyle
\hat{\bf{s}}=\frac{1}{2}\bf{\sigma}
}

ディラック・パウリ行列 \alpha_i, \betaの行列表示を用いて計算すると、ガンマ行列は次のような形になる」


{ \displaystyle
\gamma^0=
\begin{pmatrix}
\bf{1} & \bf{0} \\
\bf{0} & -\bf{1}
\end{pmatrix}
\quad
\gamma_i=
\begin{pmatrix}
\bf{0} & \sigma_i\\
{-\sigma_i} & \bf{0}
\end{pmatrix}
}

「それゆえ、ガンマ行列 \bf{\gamma}^{\bf{\mu}}は次のように4×4の行列の形にかける」


{ \displaystyle
{\gamma_0}=
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 & 0\\
0 & 1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{pmatrix}
\quad
{\gamma_1}=
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 0 & 1\\
0 & 0 & 1 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
{-1} & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
} 



{ \displaystyle
{\gamma_2}=
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 0 & -i\\
0 & 0 & i & 0 \\
0 & i & 0 & 0 \\
{-i} & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
\quad
{\gamma_3}=
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 1 & 0\\
0 & 0 & 0 & -1 \\
{-1} & 0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 & 0
\end{pmatrix}
}

「で、そのガンマ行列にいったい何の意味があるの?」
「ガンマ行列に含まれるパウリ行列 \sigma_iは、電子のスピンに関係する。一方、相対論的な波動方程式であるディラック方程式は、ガンマ行列を用いて次のように書きあらわすことができる」


{ \displaystyle
[\gamma^\mu(i\partial_\mu-qA_\mu)-m]\psi=0
}

「ここで、 qA_\muの項は、電磁場との相互作用の寄与をあらわす。それゆえ、ガンマ行列 \bf{\gamma}^{\bf{\mu}}は、スピン 1/2の粒子をベクトル粒子(光子)に結合させて角運動量を加える働きをする」