重心系で考えることのメリット
散乱の微小確率:
「積分変数が多いので、少し整理しましょう。運動量の積分変数としては、ミュー粒子の運動量の積分変数と反ミュー粒子の運動量の積分変数の2種類がありますが、今は重心系を考えているので、ミュー粒子の運動量と反ミュー粒子の運動量との間には、の関係があります。それゆえ、ミュー粒子の運動量が決まれば、反ミュー粒子の運動量も自動的に決まるため、上の散乱の微小確率の式は、反ミュー粒子の運動量の積分変数を省略して、ミュー粒子の運動量の積分変数のみであらわすことができます」
重心系の運動量を考える()
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ミュー粒子の運動量が決まれば、反ミュー粒子の運動量も自動的に決まる
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反ミュー粒子の運動量の積分変数を省略できる
「また、重心系においては、の関係からが成り立つため、デルタ関数のうち、3次元の運動量部分については満たされます。それゆえ、4元運動量のうち、エネルギーのデルタ関数のみが残ります」
重心系では、の関係からが成り立つため、のうち、3次元の運動量のデルタ関数は満たされる
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エネルギーのデルタ関数のみが残される
「したがって、散乱の微小確率の式は、次のようになります」
散乱の微小確率:
「このように、2粒子の散乱問題においては、重心系で考えると、いろいろな要素を省略できるため、計算が簡単になるというメリットがあります」