相対論的な粒子の確率振幅
「次は、相対論的な粒子の確率振幅について考えてみます。相対論的な粒子のエネルギーは、アインシュタインの関係式からの形にかけるので、この値をハミルトニアンに代入すると、次のようになります」
「ここで、1行目から2行目の式変形には、積分による完備関係式を用い、また、3行目から4行目の式変形には、x-表示からp-表示への変換関数を用いました。次に、体積積分を計算するために、極座標系への積分変換を行います」
「極座標(球座標)系は、下図に示すように、原点Oから外側に伸びる動径方向の長さrと、水平方向の偏角と、垂直方向の偏角
によって、表されます」
「上図に示すように、動径方向の長さ、水平方向の偏角、垂直方向の偏角の微小な長さは、それぞれで表されるので、これらについて、振幅U(t)を積分します。また、内積
が
と表されることに注意すると、振幅U(t)の積分は次のようになります」
「ここで、(
はギリシャ文字で『グザイ』または『グジー』と呼びます)とおくと、
となるため、
と置き換えると、
の積分は、次のようになります」
「なお、最後の式変形には、オイラーの公式を用いました」
「したがって、相対論的な粒子の確率振幅U(t)は、次のようになります」