ファインマン処方の極の計算
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(2.59)
「それじゃ、実際に上式の極を計算で確かめてみましょう。極は、上式の分母がゼロとなる条件から求めることができます」
「ここで、4元運動量の内積の定義を用いると、は次のように変形することができます」
4元運動量の内積
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「それゆえ、極を求める式は次のようになります」
「また、Einsteinの関係式を用いると、上式は次のようになります」
「なお、は微小量を表しているため、途中で近似式
(
は微小量)を用いました。ちなみに、この近似式はTaylor展開の1次近似から簡単に導くことができます」
Taylor展開の1次近似
(
は微小量)
「以上から、の極は、
となることがわかりました」
の極:
一宮は、胡散臭そうな目でテキストをじっと見つめていた。
「なんか微妙にテキストの記載と違うわね。テキストでは、極はになるんじゃなかったの?」
「たしかに、に1/2の係数が付いている点で違いますね。でも、その程度の違いはささいな違いじゃないでしょうか?」
「こんなアバウトな計算で、よくハーバード大学を卒業できたわね!」