ファインマン処方とは
「第4章では、極を別のやり方で処方することがとても有用です。このような処方は、ファインマン処方(Feynman prescription)と呼ばれます」
「ファインマン処方? ちょっと! このテキストには、『Feynman(ファインマン)』じゃなくて、『Feynmarc(ファインマルク)』って書いてあるわよ!」
一宮がテキストの該当箇所を指さした。
「それは誤記じゃないでしょうか……」
越野さんは、どうリアクションを返すべきか戸惑うような微妙な顔をした。
「ハーバード大学卒の教授が書いた教科書のわりには、やたらに誤記が多いわね」
一宮はわざとらしく、大きなため息をついた。
「ところで、ファインマン処方を覚える便利な方法は、次のように書くことです」
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(2.59)
「そもそも、なんでそんな処方をしないといけないのよ?」
「このようにすれば、極がとなって、下図のように極が実数軸の上下に位置するようになるからです」
「このように、極を実数軸の上下にずらす処方をファインマン処方と呼びます」
ファインマン処方(Feynman prescription)
極の位置を実数軸の上下にずらして
とする処方