クライン‐ゴルドン場の交換関係の変形1
クライン‐ゴルドンプロパゲーター
「次に、クライン‐ゴルドン場の交換関係についてもう少し調べてみることにします。この交換関係は数(古典的な数(classical number)。普通の数と考えるといいです)であるため、と書くことができます。なぜなら、を数とすると、となるためです。このをと考えるといいです。それゆえ、と仮定したとき、この交換関係は、次の(2.54)式のように4次元の積分で書き換えることができます」
(2.54)
「ちょっと、どうしてそんな変形ができるのよ? また、飛躍しているんじゃないの?」
一宮が胡散臭そうな目で越野さんを見た。
「たしかに飛躍があるかもしれませんね。それなら行間をもう少し詳しく見てみましょうか。(2.54)式の最終行の分母にとありますが、は4元運動量の内積であり、次のように定義されます」
4元運動量の内積
「ここで、は4元運動量の時間成分(1次元)を表します。また、は4元運動量の空間成分(3次元)を表し、となります」
:4元運動量の時間成分(1次元)
:4元運動量の空間成分(3次元)
「この4元運動量の内積の定義と、Einsteinの関係式を用いると、分母のは、次のように変形することができます」
「それゆえ、に極があることが分かります。これを(2.54)式の最終行の式に代入すると、次のようになります」