クライン‐ゴルドン粒子のファインマンプロパゲーターとは
「(2.59)式と(2.60)式は、実用的な観点から、この章の最も重要な結果と考えることもできます」
(2.59)
(2.60)
「は、伝播振幅を有することから、クライン‐ゴルドン粒子のファインマンプロパゲーター(伝播関数)と呼ばれます」
「実際、ファインマンプロパゲーターは、ファインマンルールの一部であることが分かります。(または、)は、ファインマンダイアグラムの内線に対応する式であり、仮想粒子の伝播の様子を表します」
ファインマンプロパゲーター(Feynman propagator)
(または、):ファインマンダイアグラムの内線に対応する式であり、仮想粒子の伝播の様子を表す
「ですが、これまでは自由クライン‐ゴルドン理論についてのみ議論していたため、実際の計算を行うにはほど遠いです。なぜなら、クライン‐ゴルドン理論の場の方程式は、線形であり、相互作用がないからです。個々の粒子は、独立したモードにあり、互いに他の種類の粒子の存在に気づかずに存在しているような状態にあります」
クライン‐ゴルドン場がつくる個々の粒子は互いに相互作用しない
「このような理論においては、散乱やその他の手段によって観測を行う見込みはありません。その反面、私達は極めて重要な形式化を展開したともいえます。なぜなら、このような相互作用のない自由粒子の理論は、相互作用を考慮した理論の摂動計算を行うことの基礎となるためです」