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スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

古典的なクライン−ゴルドン場の方程式の導出

クライン−ゴルドン方程式
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\bigg(\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\nabla^2+m^2\bigg)\phi=0 \,\,\,\,\,\,\,\,\,  \textrm{or} \,\,\, \,\,\,\,\,\,  (\partial^\mu\partial_\mu+m^2)\phi=0
\end{eqnarray}
}
(2.7)

「ここで、(2.7)式に前回導いた古典的なクライン−ゴルドン場の式を代入します」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi({\bf{x}},t)&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\phi({\bf{p}}, t)
\end{eqnarray}
}

「すると、(2.7)式のクライン−ゴルドン方程式は次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\bigg[\frac{\partial^2}{\partial t^2}-(\mid{\bf{p}}\mid^2+m^2)\bigg]\phi({\bf{p}}, t)=0.
\end{eqnarray}
}
(2.21)

「これは、古典的なクライン−ゴルドン場の方程式です」
「ちょっと待って。どうして、 \nabla^2から \mid{\bf{p}}\mid^2が出てくるのよ?」
「以前お話したように、 \nabla^2は、ラプラシアンであり、3次元空間の場合、次のように定義されます」

ラプラシアン(Laplacian)
{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\Delta&=&\nabla^2=\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}+\frac{\partial^2}{\partial z^2}
\end{eqnarray}
}

ラプラシアンは、座標 x, y, zを有する項のみに作用するため、クライン−ゴルドン場の座標を含む e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}の項のみに作用します。ここで、 {\bf{p}}\cdot{\bf{x}}=p_x x+p_y y+ p_z zであることに注意して、ラプラシアンのxの2回微分の項のみを計算してみます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\frac{\partial^2}{\partial x^2}e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}&=&\frac{\partial^2}{\partial x^2}\textrm{exp}\{i(p_x x+p_y y+ p_z z)\}\\
&=&(ip_x)^2\textrm{exp}\{i(p_x x+p_y y+ p_z z)\}\\
&=&(ip_x)^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\\
&=&-p_x^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}
\end{eqnarray}
}

「また、他の座標 y, zについても同様に計算できます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\frac{\partial^2}{\partial y^2}e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{y}}}&=&-p_y^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\\
\frac{\partial^2}{\partial z^2}e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{z}}}&=&-p_z^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}
\end{eqnarray}
}

「それゆえ、ラプラシアン e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}に作用させた結果は、次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\nabla^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}&=&\bigg(\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}+\frac{\partial^2}{\partial z^2}\bigg)e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\\
&=&-(p_x^2+p_y^2+p_z^2)e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\\
&=&-\mid{\bf{p}}\mid^2e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}
\end{eqnarray}
}

「ここで、最後の式で、運動量空間の距離の関係式 \mid{\bf{p}}\mid=\sqrt{p_x^2+p_y^2+p_z^2}を用いました。このようにして、 \nabla^2から \mid{\bf{p}}\mid^2が導かれます」