スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

複素スカラー場の作用とラグランジアン

問題2.2
「問題2.1を解いたので、次は問題2.2を解きましょう。問題2.2では、クライン‐ゴルドン場に従う複素数値のスカラー場の場の理論について考えてみます。この理論の作用は、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
S&=&\int d^4 (\partial_\mu\phi^*\partial^\mu\phi-m^2\phi^*\phi).
\end{eqnarray}
}

「基本的な力学変数として、場 \phi(x)の実数部分と虚数部分を考えるより、2種類の場 \phi(x)および\phi^*(x)を考えることによって、この理論を分析すると一番簡単になります。問題aは次のとおりです」

問題a:
 \phi(x)および\phi^*(x)の共役運動量および正準交換関係を導け。また、ハミルトニアンが、次のようになることを示せ。

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
H&=&\int d^3x(\pi^*\pi+\nabla\phi^*\cdot\nabla\phi+m^2\phi^*\phi).
\end{eqnarray}
}


 \phi(x)についてのHeisenbergの運動方程式を計算し、それがまさしくクライン‐ゴルドン方程式であることを示せ。

「それでは実際に問題を解いてみましょう。ラグランジアン \mathcal{L}の作用積分Sは、次の(2.1)式のように書くことができることは以前お話しました」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
S&=&\int \mathcal{L} dt=\int \mathcal{L}(\phi, \partial_\mu\phi)d^4x 
\end{eqnarray}
}
(2.1)

「それゆえ、上の作用Sのラグランジアン \mathcal{L}は、次のように書くことができます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}&=&\partial_\mu\phi^*\partial^\mu\phi-m^2\phi^*\phi.
\end{eqnarray}
}