デルタ関数の平面波展開
「ところで、デルタ関数は、次のように積分であらわすことができることが知られています」
「ここで、は、平面波(波面が平面の波)をあらわします。実際、オイラーの公式
を用いると、
と書くことができ、波数kで振動する波(正弦波)であることがわかります」
オイラーの公式:
↓
平面波:
「それゆえ、デルタ関数は、さまざまな波数kで振動する波(正弦波)を重ね合わせたものであることがわかります。
デルタ関数は、さまざまな波数kで振動する波(正弦波)を重ね合わせたものに等しい
「ここで、波数(はすう)とは、『波の数』という文字から分かるように、単位長さの間に繰り返される波の数をあらわします」
波数:単位長さの間に繰り返される波の数
「それゆえ、波の山の位置を原点()に合わせて、波数kが異なる波を重ね合わせると、下図のように、原点(
)では、どの波も山となって強め合いますが、それ以外の場所(
)では、異なる波数kをもった波の山と谷の位置がずれるため、それぞれの波の寄与が打ち消し合ってしまいます。その結果、原点(
)の波の寄与だけが残り、その他の場所(
)では全て0になってしまうため、最終的にデルタ関数
になるのです」
原点(
)を中心として、波数kの異なる波を重ね合わせる
↓
デルタ関数になる