クライン-ゴルドン方程式の導出
「ここで、上のような上付きの添字と下付きの添字がセットになったものは、『内積』を表し、ローレンツ変換に対して不変な量となることが知られています。また、ラグランジアンもローレンツ変換に対して不変な量なので、その運動項は、実際には次のように上付きの添字と下付きの添字がセットになっています」
(2.6)
「これから、次のようなオイラー・ラグランジュ方程式が導かれます」
「ここで、上付きの添字と下付きの添字がセットになったものは、互いに入れ替え可能であることに注意してください。2行目の式の右辺の第1項は、4次元時空の2階微分、すなわち、時間と空間の2階微分をとって和をとったものに相当します。ただし、前回説明したように、時間と空間は負の関係で結ばれています。このオイラー・ラグランジュ方程式は、次のような形に書くこともできます」
「は『ナブラ(nabla)』と呼ばれ、3次元空間の場合、次のように表されます」
「そして、は、の内積をとったものであり、ラプラシアン(Laplacian)とも呼ばれ(記号は)、3次元空間の場合、次のように表されます」
ラプラシアン(Laplacian)
「実は、このようにして導かれたオイラー・ラグランジュ方程式は、『クライン−ゴルドン(Klein-Gordon)方程式』としても知られています」
クライン・ゴルドン(Klein-Gordon)方程式
「クライン−ゴルドン方程式?」
「クライン−ゴルドン方程式は、スピン0の相対論的な自由場(クライン−ゴルドン場)が満たす波動方程式です」
クライン−ゴルドン(Klein-Gordon)方程式:
スピン0の相対論的な自由場(クライン−ゴルドン場)が満たす波動方程式
「クライン−ゴルドン方程式は、ローレンツ変換に対して不変な波動方程式です。また、クライン−ゴルドン方程式は、『ダランベルシアン(d'Alembertian )』と呼ばれる記号を用いて簡単に表すこともできます」
ダランベルシアン(d'Alembertian )
「馬鹿みたいに単純な式ね」