ハミルトニアンと生成・消滅演算子の関係式の導出
「上の関係を用いることによって、次の関係式を導くことができます」
(2.46)
「ちょっと! どうしてそんな関係式が成り立つのよ?」
一宮が理解できないといった風に、頭をかきむしった。
「上の計算には、少し飛躍があるかもしれませんね。でも、(2.46)式は、テイラー展開を用いることによって導き出すことができます。ここで、指数関数は、次のようにテイラー展開できることを思い出してください」
「ところで、(2.46)式の1番目の式の両辺に右側からをかけた式は、次のようになります」
「この式の両辺は、次のようにテイラー展開することができます」
「左辺と右辺でtのべき乗数が同じ項同士を比較すると、の関係式から、について、これらが全て等しいことが分かります。それゆえ、(2.46)式の1番目の式が成り立つことがわかります。同様に、(2.46)式の2番目の式が成り立つこともわかります」