運動量演算子と生成・消滅演算子との交換関係
「次に、Hの代わりにPについて同様の操作を実行して、ととを関連付けることを考えてみます。(2.46)式と同様に、次の(2.48)式を示すことができます」
(2.48)
「ここで、であり、小文字のpと異なります」
「同じ文字なのに、小文字と大文字とで異なるなんて、紛らわしいわね!」
一宮は不満そうに頬を膨らませた。
「紛らわしい表記法かもしれませんが、これは標準的な表記法です。大文字のPは、運動量演算子を表し、その固有値は系の全運動量を表します。一方、小文字のpは、場の単一のフーリエモードの運動量であり、そのモードの粒子の運動量と解釈することができます。ここで、よく定義された(well-difined)運動量のある1粒子状態については、pは、Pの固有値となります」
「ここで、(2.48)式を実際に導いてみましょう。具体的には、次の(2.33)式の関係を用います」
(2.33)
「(2.33)式からは、次のようになります」
「なお、最後の行への変形で、下の(2.29)式の関係を用いました」
(2.29)
「また、についても、同様に計算することができ、結局、次の関係式が成り立つことが分かります」