スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

クライン-ゴルドン場とその運動量密度の生成・消滅演算子による表現

「これまで説明したのと同じテクニックを用いて、クライン-ゴルドンハミルトニアンのスペクトルを導くことができますが、ここでは、場の各フーリエモードは、それ自体、生成演算子 a^\daggerと消滅演算子 aをもった独立な振動子として扱います。ここで、(2.23)式との類似性から、クライン-ゴルドン \varphi({\bf{x}})およびその運動量密度\pi({\bf{x}})は、次のように書くことが出来ることが分かります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi=\frac{1}{\sqrt{2\omega}}(a+a^\dagger)\textrm{;}\,\,\,\,\,\,\,\, p=-i\sqrt{\frac{\omega}{2}}(a-a^\dagger).
\end{eqnarray}
}
(2.23)


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi({\bf{x}})&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{\sqrt{2\omega_{\bf{p}}}}\big(a_{\bf{p}}e^{i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}+a_{\bf{p}}^{\dagger}e^{-i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}\big);
\end{eqnarray}
}
(2.25)


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\pi({\bf{x}})&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}(-i)\sqrt{\frac{\omega_{\bf{p}}}{2}}\big(a_{\bf{p}}e^{i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}-a_{\bf{p}}^{\dagger}e^{-i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}\big).
\end{eqnarray}
}
(2.26)

「ちなみに上の関係は、古典的なクライン−ゴルドン \phi({\bf{x}},t)が、次のようにフーリエ級数で表すことができることからも類推できます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi({\bf{x}},t)&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}e^{i{\bf{p}}\cdot{\bf{x}}}\phi({\bf{p}}, t)
\end{eqnarray}
}

「ここで、(2.25)式と(2.26)式から、 a_{p}, a^\dagger_p\varphi, \piに関する式として簡単に導くこともできますが、これはめったに必要とはされません。また、(2.25)式と(2.26)式は、右辺の第2項を {\bf{p}}\rightarrow-{\bf{p}}と置換することにより、次のように書き換えることもできます」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\phi({\bf{x}})&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}\frac{1}{\sqrt{2\omega_{\bf{p}}}}\big(a_{\bf{p}}+a_{-\bf{p}}^{\dagger}\big) e^{i{\bf{p}\cdot\bf{x}}};
\end{eqnarray}
}
(2.27)


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\pi({\bf{x}})&=&\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}(-i)\sqrt{\frac{\omega_{\bf{p}}}{2}}\big(a_{\bf{p}}-a_{-\bf{p}}^{\dagger}\big)e^{i{\bf{p}\cdot\bf{x}}}.
\end{eqnarray}
}
(2.28)