時空間のクライン‐ゴルドン場の伝搬粒子の振幅の導出1
「それでは、次に、因果律の問題について考えてみたいと思います。Heisenberg描像において、yからxに伝搬する1粒子の振幅は、と書くことができます。ブラケットを右から左に読む、という規則に従えば、
は、yに1粒子が存在する状態
からxに1粒子が存在する状態
に移りゆく振幅を表すものと考えることができます」
↓ ブラケットを右から左に読む
yに1粒子が存在する状態からxに1粒子が存在する状態
に移りゆく振幅
「ここで、この量をと呼ぶことにしましょう。下の(2.47)式から、各演算子
は、消滅演算子
と生成演算子
の和であるため、
から
、
、
、
の4つの項が含まれることが分かります」
時空間のクライン−ゴルドン場
![]()
(2.47)
は以下の4つの項を含む
↓
、
、
、
「しかしながら、これら4つの項のうち、の項以外の項はすべてゼロとなります。なぜなら、
および
の項は、
(真空状態に消滅演算子を作用させても粒子が生成されない)からゼロとなり、また、
の項も、その共役関係
からゼロとなるためです」