デルタ関数の微分計算の一例
「デルタ関数を試験関数とセットで取り扱うことによって、デルタ関数の微分の問題を、試験関数の微分の問題にすり替えることができます」
「ほんとにそんな小手先のテクニックで、デルタ関数の微分を計算できるの?」
胡散臭そうな目で一宮がいった。
「そう思うのでしたら、論より証拠です。上式において、デルタ関数を、試験関数をとして、実際にを計算してみましょう」
「なお、上式第1行目から第2行目への変形において、場を微分すると運動量密度となる、次の(2.47)式の関係式を用いました」
(2.47)
「これから、は次のようになることがわかります」
「このように、超関数による微分の定義を用いることにより、デルタ関数の微分は、試験関数の微分として処理されるため、不連続なデルタ関数の微分でさえも計算できるようになるのです」