スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

エネルギー・運動量テンソルの式から電磁気エネルギーの式の導出3


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
F_{\mu\nu}F^{\mu\nu}
&=&-2E^2+(\epsilon_{ijk}\epsilon^{ijl})B_kB^l\\
\end{eqnarray}
}

「次に、レヴィ=チヴィタ記号 \epsilon_{ijk}の積には、次のような性質があることが知られています」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\Sigma_{ij}\epsilon_{ijk}\epsilon^{ijl}=2\delta_{k}^{\,\,l}\\
\end{eqnarray}
}

「この性質を用いると、最初の式は次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
F_{\mu\nu}F^{\mu\nu}
&=&-2E^2+(\epsilon_{ijk}\epsilon^{ijl})B_kB^l\\
&=&-2E^2+2\delta_{k}^{\,\,l}B_kB^l\\
&=&-2E^2+2B^2\\
&=&-2(E^2-B^2)\\
\end{eqnarray}
}

「それゆえ、ラグランジアン密度 \mathcal{L}は、次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}&=&-\frac{1}{4}F_{\mu\nu}F^{\mu\nu}\\
&=&\frac{1}{2}(E^2-B^2)
\end{eqnarray}
}

「このラグランジアン密度 \mathcal{L}をエネルギー・運動量テンソル \hat{T}^{00}の式に代入すると、次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\hat{T}^{00}
&=&{E}^2-\mathcal{L}\\
&=&{E}^2-\frac{1}{2}(E^2-B^2)\\
&=&\frac{1}{2}(E^2+B^2)
\end{eqnarray}
}

「エネルギー・運動量テンソルのうち、時間変換に関係した保存チャージ T^{00}は、ハミルトニアン \mathcal{H}、すなわちエネルギー密度なので、結局、電磁気エネルギー密度の式\varepsilonが導かれます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\hat{T}^{00}&=&\varepsilon=\frac{1}{2}(E^2+B^2)
\end{eqnarray}
}