スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルとは

「次に、\beta=iとした場合の上の運動方程式 \partial_\alpha\mathcal{F}^{\alpha\beta}=0^\betaの具体的な形を見てみます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\partial_\alpha\mathcal{F}^{\alpha i}&=&\partial_0\mathcal{F}^{0i}+\partial_j\mathcal{F}^{ji}=0^i
\end{eqnarray}
}

「ここで、 E^i=-F^{0i}および \epsilon^{ijk}B^k=-F^{ij}=F^{ji}とすると、上の運動方程式は次のようになります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\partial_\alpha\mathcal{F}^{\alpha i}=\partial_0\mathcal{F}^{0i}+\partial_j\mathcal{F}^{ji}&=&0^i\\
{-\partial_0}E^i+\partial_j\epsilon^{ijk}B^k&=&0^i\\
\dot{E}^i&=&\partial_j\epsilon^{ijk}B^k
\end{eqnarray}
}

\epsilon_{ijk}って何よ?」
\epsilon_{ijk}は、レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルと呼ばれ、次のように定義されます」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\epsilon_{ijk}=\left\{ \begin{array}{ll}
1 & ({(i,j,k)=(1,2,3),(2,3,1),(3,1,2)}) \\
{-1} & ({(i,j,k)=(1,3,2),(3,2,1),(2,1,3)}) \\
0 & (上記以外) \\
\end{array} \right.
\end{eqnarray}
}

(i, j, k) 1\rightarrow 2\rightarrow 3\rightarrow 1\rightarrow\cdotsの順の組み合わせからなる場合は1、また、 1\rightarrow 3\rightarrow 2\rightarrow 1\rightarrow\cdotsの順の組み合わせからなる場合は-1、それ以外の組み合わせからなる場合は0となります。このレヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルを用いると、ベクトル {\bf{a}}=(a_x, a_y, a_z), {\bf{b}}=(b_x, b_y, b_z)外積は、次のように表されます」

ベクトル {\bf{a}}=(a_x, a_y, a_z), {\bf{b}}=(b_x, b_y, b_z)外積
({\bf{a}}\times{\bf{b}})_i=\Sigma_{j, k}\epsilon_{ijk}a_jb_k

「これから、a_j=\partial_j, b_k=B_kとおくと、\dot{E}^i=\partial_j\epsilon^{ijk}B^k=(\nabla\times{\bf{B}})^iとなることがわかります」

{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
\dot{\bf{E}}=(\nabla\times{\bf{B}})
\end{eqnarray}
}

「これはマクスウェル方程式のファラデーの法則そのものです」