デルタ関数のローレンツブースト
「ここで、ある慣性系Aから見て、別の慣性系Bが方向に-Vの速さで進む場合を想定します。このとき、 とすると、ローレンツブーストにより、運動量とエネルギーは、次のように変換されることが一般的に知られています」
「ここで、デルタ関数のローレンツブーストを求めてみましょう。そのため、次のδ関数の恒等式を利用します」
(2.34)
「どうしてそんな式が成り立つのよ?」
「この式を証明するには、次のδ関数の公式を使います」
「なお、この公式はどの教科書にも記載されているので、ここでは証明は行いません。ここで、の近傍の点をとすると、近傍の傾きは、次のように書くことができます」
「これから、の関係がいえるので、上の公式を用いることによって、問題の関係式が得られます」
「ここで、と置き換えると、次のようになります」
「次に、運動量についてのローレンツブーストの変換式をで微分すると、次のようになります」
「そこで、上式をの式に代入すると、次のようになります」
「次に、エネルギーをで微分すると、次の式が得られます」
「この関係を上式の右辺第2項に代入すると、結局、デルタ関数のローレンツブーストは、次のようになります」
「なお、最後の行への変形において、エネルギーについてのローレンツブーストの変換式を用いました」