スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

交換関係の物理的意味

「ここで、測定を試みることができるもっとも簡単なものは場 \phi(x)なので、交換関係 [\phi(x), \phi(y)]を計算してみましょう。この交換関係がゼロになれば、ある測定は、他の測定に影響を与えることができません」

交換関係 [\phi(x), \phi(y)]がゼロになる
 ↓
ある測定は、他の測定に影響を与えることができない

「どうして交換関係がゼロになったら、他の測定に影響を与えることができないのよ?」
 一宮が質問した。
「交換関係は、物理的には、Heisenbergの不確定性原理に対応しています」
「Heisenbergの不確定性原理?」
「Heisenbergの不確定性原理は、微視的(ミクロ)の世界では、粒子の位置qと運動量pを同時に決定できず、一方の量を測定すると、もう一方の量が不確定になることを表す原理です」

Heisenbergの不確定性原理
微視的(ミクロ)の世界では、粒子の位置qと運動量pを同時に決定できず、一方の量を測定すると、もう一方の量が不確定になる

「このように一方の量の測定によって、もう一方の量が不確定になるとき、交換関係はゼロになりません。反対に、交換関係がゼロの場合は、ある測定が他の測定に影響を与えることはありません」

交換関係と不確定性との間の関係
1.交換関係がゼロでない→一方の量の測定によって、もう一方の量が不確定になる
2.交換関係がゼロ→ある測定は、他の測定に影響を与えない(不確定にならない)