スーパーサイエンスガール

日々科学と格闘する理系高校生達の超絶難解な日常。

生成・消滅演算子で表した複素スカラー場のハミルトニアン4


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
H&=&\int d^3x(\dot{\phi}^*\dot{\phi}+\nabla\phi^*\nabla\phi +m^2\phi^*\phi)\\
&=&\int d^3x\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}E_{\bf{p}} \big(a_{\bf{p}}^\dagger a_{\bf{q}}+b_{\bf{p}}b_{\bf{q}}^\dagger\big)\\
\end{eqnarray}
}

「次に、交換関係 [ b_{\bf{p}}, b_{\bf{p}}^\dagger]= b_{\bf{p}}b_{\bf{p}}^\dagger- b_{\bf{p}}^\dagger b_{\bf{p}}から、 b_{\bf{p}}b_{\bf{p}}^\dagger=[ b_{\bf{p}}, b_{\bf{p}}^\dagger]+ b_{\bf{p}}^\dagger b_{\bf{p}}となり、これを上式に代入すると、次のようになります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
H&=&\int d^3x\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}E_{\bf{p}} \big(a_{\bf{p}}^\dagger a_{\bf{q}}+b_{\bf{p}}b_{\bf{q}}^\dagger\big) \\
%%%
&=&\int d^3x\int\frac{d^3p}{(2\pi)^3}E_{\bf{p}} \big(a_{\bf{p}}^\dagger a_{\bf{q}}+b_{\bf{p}}^\dagger b_{\bf{q}} +[ b_{\bf{p}}, b_{\bf{p}}^\dagger]\big).
\end{eqnarray}
}

「最後の項[ b_{\bf{p}}, b_{\bf{p}}^\dagger]は、定数、すなわち古典的なc数であり、これは真空の零点エネルギーに相当します。そこで、この定数項を無視すると、ハミルトニアン Hは結局、次のようになることがわかります」


{ \displaystyle
\begin{eqnarray}
H&=&\int d^3xE_{\bf{p}} \big(a_{\bf{p}}^\dagger a_{\bf{q}}+b_{\bf{p}}^\dagger b_{\bf{q}}\big).
\end{eqnarray}
}

「ここで、2種類の生成・消滅演算子 a_{\bf{p}}^\dagger, a_{\bf{p}} b_{\bf{p}}^\dagger, b_{\bf{p}}に対して、共通のエネルギー E_{\bf{p}}=\sqrt{m^2+{\bf{p}^2}}および質量 mが用いられていることが分かります。これから、複素スカラー場のクライン‐ゴルドン場の理論から導かれる2種類の粒子は、同一のエネルギーEおよび質量mを有することがわかります」

複素スカラー場のクライン‐ゴルドン場の理論から導かれる2種類の粒子
(1) 同一のエネルギーEおよび質量mを有する